日本のドラマの海外発信を目的としたドラマの祭典である『国際ドラマフェスティバルinTOKYO』。今年で13年目を迎えたが、そのイベントの一環として、2017年からはドラマ制作者によるシンポジウムが開催されている。
今年も、『ここから始まる新しいテレビドラマ~それぞれの戦い編~』と題したシンポジウムを開催。脚本家の大石静、尾崎将也、古沢良太、ディレクターの川上剛(NHK)、並木道子(フジテレビ)が登壇し、それぞれがドラマ制作に対し思うことや新たな試みについて語った。
フジテレビュー!!では、このシンポジウムを3回に分けてレポート。第2回は、脚本家たちからこぼれた本音(?)を紹介する。
連続ドラマの脚本は何度も修正が重ねられてできている!
第一線で活躍する脚本家陣が、脚本ができあがるまでの秘話を披露。脚本は、大まかなストーリーが書かれた「プロット」から始まり、細かいセリフや動きまで加えられた「準備稿」を経て、撮影時に使用する脚本の完成版である「決定稿」という流れで作られていく。
この「決定稿」になるまでには、スタッフとの話し合いで何度も修正が重ねられるのだ。
「監督やプロデューサーにめちゃめちゃ(ダメ出しを)言われて、決定稿までには7稿(7度の修正を重ねてできたもの)ぐらいになることはしばしばです。あらゆることを言われるので、“自分で書け!”と思いますけど(笑)」と笑う大石。
『セカンドバージン』『大恋愛〜僕を忘れる君と』などヒット作を多数手がけるベテランだが、「皆さん、もっと少なかったらどうしよう…」と、周りを見渡し、少し不安げな表情を見せた。
すると、尾崎が「『まだ結婚できない男』(フジテレビ系・毎週火曜22時~)の第1話は、17稿になっていました。普段は5~6稿くらいですかね。今回はスタートが早かったので、直す時間がいっぱいあって。ついつい直してしまいました(笑)」と、完璧を目指して修正を続ける執筆の様子をうかがわせた。
さらに、尾崎の話を継いで古沢も「僕も直すのが好きなので、時間がある時はたくさん直します」と共感。しかし、「でも、直し過ぎて“なんで面白かったところを消したんだ”とスタッフに言われることもあって(笑)。面白いと思ったなら、その時に言ってほしい、と伝えてます」と、不満ともいえる本音をこぼしていた。
普段、ドラマを見ているだけでは分からない脚本家の本音。親近感が湧くエピソードに、会場に集まったドラマファンの共感を得ていた。
レポート②に続く――