＜試写室＞ドラマ上ではポッと出のカップルの話になぜこうも心が突き動かされるの♡

2月4日（土）23時40分～土ドラ『三千円の使いかた』第5話

めざましmedia編集部

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今回のサブタイトル…

「費用対効果を考える」

って内容じゃね―――――――！！！

いや、「費用対効果」については劇中でちゃんと考えてはいるし、そういう話だし、「費用対効果を考える」ことによって巻き起こるドラマティックだってもちろんある。あるはあるんだけど、それを描くうえでの、物語が、その用意されていた物語が、「費用対効果を考える」じゃね―――――――！！！なんですよ。

この「費用対効果を考える」っていう文言から感じる”堅苦しさ”、そして、サブタイトルでわざわざ表示させることによって醸し出す“ノンキ”、だけど、その、堅苦しさも、ノンキさもまったくもってない、ないとかあるとか、それどころじゃない、まさかまさかの、とてつもなくリアルで、生々しくて、最低で、だけど最高な、ラブストーリーに！！まさかのラブストーリーに仕上がっているのです！！！

これまでのテイストとはまったく異なる質感の物語展開で、一気に持ってかれます

そんなわけで、今回のメインは、安生くん（橋本淳）。

安生くんは、このドラマの主人公である美帆（葵わかな）が住む、御厨（みくりや）家とは一切関係ない。けど、琴子おばあちゃん（中尾ミエ）と偶然知り合って、仲良くなって、そのままドラマになだれ込んできたような、通常のドラマだったら急に出てきた超サブキャラなわけだけど（失礼）、持ち前の能天気＆人懐っこさを大いに発揮して、御厨家とも馴染みつつありそう？…だったその矢先、地獄の退院祝い（＠伝説の第3話）において、智子ママ（森尾由美）から、「お前誰だよ！出てけ！！（超意訳）」という、まさに、“地獄”を味わった安生くん。

そんな、あの日、あまりにも地獄で、視聴者全員から気の毒…と思われた安生くんに、ご褒美が与えられるかのような、待望の安生くんメイン回！なわけですけど、せっかくのご褒美なはずなのに（それは僕が勝手にそう思ってるだけ）、どうしてこうも安生くんは安生くんなんでしょう！？ってくらい、今回は、あの地獄以上の、とてつもない“地獄”回に仕上がってますので、どうぞお見逃しなく！！

で、もう冒頭から、“地獄”の幕開けから、すんごいの。冒頭の2分弱の、夜の漁港のボーイミーツガールが、生々しいったらありゃしなくて、なんで『三千円の使いかた』ってドラマの冒頭が、夜の、漁港の、ボーイミーツガールなのよっていう、邪念がよぎるひまもなく、これまでの『三千円の使いかた』テイストとはまったく異なる質感の物語展開で、一気に持ってかれます。

公式のあらすじを見ると、あんまり触れちゃいけないっぽいのが悔しいですが、安生くんの、脳内“天使と悪魔”の攻防戦を見事に具現化した、地獄の幕開け2分弱のドラマは、緊張感しかないので、マジで、冒頭から、正座してチャンネルを合わせましょう！

安生くん＆きなりちゃんカップルの“嫌な予感”が、この回で見事に大爆発

そしてそこから繰り広げられる地獄は、前回登場した、安生くんのカノジョ、きなりちゃん（高田里穂）との物語になっていくわけだけど、きなりちゃんは、前回登場の一発目から「（安生くんの）子どもがほしい」という“嫌な予感”…定職にもついてないし、金もないし、結婚するつもりもさしてない＝安生の「子どもがほしい」とかいう、安生くん＆きなりちゃんカップルの“嫌な予感”が、この回で見事に大爆発します。

で、そもそも他人だから関係ないし（サブキャラだしね…失礼）、何より人は人って、安生くんの“生き方”の詳細までは、こちとら、大して想像もしてなかったわけですが、さすがの安生くんメイン回。金がない、定職にもつかない、さして結婚もしたいわけじゃない、っていうこれまでのプロフィールに加えて、次から次へと、安生くんの生態が明らかになっていくわけだけど、そのたびに安生くんの人生に思いをはせ、「安生くん、マジで大丈夫？」って心配になります。

うん、だけど、まあ、“あれ”と“それ”は、勝手にすればいいって、グッと飲み込んで先に進んでいけるんだけど、そうこうしてるうちに、安生くんの安生くんによる、安生くんの責任でしかない、賛否でいうところの“否”でしかない、安生くん大失態！！（大失態とかそういう軽いもんでもないけど）が起きてしまうもんだからさぁ大変！そっからとてつもない“地獄”へと発展していくのです…。

で、地獄は地獄なんだけど、状況はどうみても地獄なはずなのに、さすがの『三千円の使いかた』。地獄をことさら強調するような演出は一切施さず、地獄演出を施さないからこそ、真の地獄が浮かび上がってくるようなやんややんやも感じつつ（雑か！）、気づけば地獄だったはずの状況から、御厨家を巻き込み、サブタイトル「費用対効果」についての一家言あり、ちゃーんと『三千円の使いかた』のフックあり、あれよあれよの、超感動的なラブストーリーへと突き進んでいくストリーラインは、見事としか言いようがありません。ホントに、こんな脇役の（まだ言う）、なんなら、前回初めて知った、ドラマ上ではポッと出のカップルの話に、なぜ、こうも、心が突き動かされるのでしょう！！っという出来栄え。