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2024年01月12日 |

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「アートはみんなのもの」ポップだけじゃない魅力を知る!キース・へリング展に行ってみた

めざましmedia編集部

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現在、六本木の「森アーツギャラリーセンター」で開催されている「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」(~2月25日)。

キース・ヘリングさんと言うと明るくポップな作品を思い浮かべがちですが、実はその名声を高めたのは、地下鉄の駅に描いたモノクロのドローイングだったのをご存じでしょうか?

アートの魅力を英語で発信するTokyo Art Vibes∞のナビゲーターを務める佐久間みなみフジテレビアナウンサーが行ってきました。

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佐久間アナが指す方がキース・へリングさん photo by ©Makoto Mura

ヘリングさんは、アルバイトに行く途中で、地下鉄の駅構内の広告の空 きスペースに黒い紙が貼られていることに気づき、「ここならみんなが見てくれるはず!」とチョークで絵を描きました。

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「無題(サブウェイ・ドローイング)」

2、3分で描いては地下鉄に飛び乗って別の駅で描いて、を繰り返しているうちに話題になり、当局に回収される前に剥がそうとするファンの争奪戦にもなったそうです。

このころはまだ“落書き”なので、見つかるとすぐ剥がされてしまう、いわば幻の作品でした。今回、内覧会のために来日したアメリカ人コレクターのタッカー・ヒューズさんもその一人です。

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「工事関係者を装って剥がしたんですよ」と実演するタッカー・ヒューズさん

「オレンジのベストを着て工事関係者を装って深夜に駅に侵入して、丁寧に剥がしては丸めて持ち帰りました。私たちが剥がさなければ、すべて消え去ってしまっていたのですよ!」と誇らしげに当時の様子を再現してくれました。

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こちらもヒューズさんが剥がし持ち帰った作品

そのエピソードを初めて聞いた佐久間アナは「まさか、そんなことがあったとは!面白いですね~」と興味津々。

今回、そのヒューズさん所蔵の作品2点も含め、日本初公開のドローイングが5点も展示されています。“この世に残った”貴重な作品をお見逃しなく。

しばらく進むと、一転して、私たちにおなじみの蛍光色の作品群が現れます。使われているのはブラックライトで光る蛍光塗料です。

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「無題」

妊婦さんが踊り、赤ちゃんがそのお母さんたちに胴上げされているかのように宙に浮いている作品は見ているだけでリズムを感じます。

それに、音声ガイドの「音楽を流して、ディスコのような空間に展示されたそう」という説明を聞くと、さらにお母さんも赤ちゃんも動き出すような様子が頭に浮かんできます。ちなみに音声ガイドは俳優の磯村勇斗さんが務めています。

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大きな耳とパンツに見覚えが…

「アンディ・マウス」という作品は、目に入ってきた瞬間に「あれだ!」とピンと来ます。大きな丸い耳と特徴的なパンツはあの世界一有名なマウスに違いありません。

ヘリングさんは小さい頃からその生みの親の会社に勤めたいと夢見ていたとか…。

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「アンディ・マウス」

「アンディ」はへリングさんが最も尊敬していたアーティスト、アンディ・ウォーホルさんのこと。ヘリングさんの人の絵には顔のディテールがないことがほとんどですが、サングラスと口鼻をしっかり描きこみ、髪型がウォーホルさんの特徴をしっかり捉えています。佐久間アナも「髪の毛の色がすべて違いますね~」と注目していました。

作品のタイトルが物語るように、大好きなふたり!?を掛け合わせて作品にするのはきっと心が躍る作業だったでしょう。

「うわ、大きい!」と佐久間アナが驚いたのが、高さ約4メートル、横幅約6メートルと巨大な作品。

ニューヨークで上演されたダンス・パフォーマンス「スウィート・サタデー・ナイト」の舞台セットの一部で、実際、この作品の前でブレイクダンスが披露されたそうです。見ていると、真ん中のヒトのひねりのマネをしたくなってしまいます。

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巨大な作品の前で佐久間アナもブレイク!

ヘリングさんは1988年にエイズと診断され、その2年後に31歳の若さで亡くなりましたが、アートを通して多くの問題提起をしていました。エイズ予防はもちろん、差別の撤廃や反戦まで幅広く問題意識を持ち、たくさんの人に訴える手段としてポスターを用いました。

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<mark style="background-color:rgba(0, 0, 0, 0)" class="has-inline-color has-black-color">左「Safe Sex!(セーフ・セックス!)」</mark>右「無知は恐怖、沈黙は死」

最初に作ったのは核放棄のためのポスターで、自費で2万部印刷して、ニューヨークのセントラルパークでのデモで無料で配ったそうです。「ヒロシマ、平和がいいに決まってる」という作品は広島で行われたコンサートのポスターで、キースさんは来日して広島に足を運んで制作したそうです。

どちらもアートの力で何とか「平和を願う自分のメッセージを伝えたい」という強い意欲を感じます。

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展覧会の最後のコーナーには、ヘリングさんが原宿の道路にチョークで絵を描いている写真があります。もともと東洋思想や書などに興味を持っていたへリングさんにとって日本は憧れの国でしたが、来日した頃は日本がバブルに沸いていたこともあり、「東京ってところはほんとにすごい。まるで大きな遊園地のようだ」という言葉を残しています。

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photo by © Akira Kishida

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photo by © Akira Kishida

日本でヘリングさんのグッズ・ショップ「ポップショップ東京」がオープンしたのは1988年。今でこそミュージアムショップは当たり前ですが、ヘリングさんは先駆けで、「アートは一部の富裕層のものではなく、みんなのためのものだ」という信念から、Tシャツや缶バッジなどをデザインし、販売しました。

東京店はニューヨークに次ぐ第2号店で、京都の老舗専門店に依頼して作った扇子などのオリジナルアイテムも多数売られました。アートに縁がなくても何となくヘリングさんの作品を見たことがある、という人が多いのは、グッズが広く普及したこともあるのではないでしょうか?

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「ポップショップ東京」で販売された扇子

展覧会と言えばお楽しみのグッズショップの入り口には、絶好の映えスポットがあります。ヘリングワールドに囲まれたこのスペースでポーズを取ると、自分も作品の一部になったような気分が味わえます。

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© Keith Haring Foundation. Licensed by Artestar, New York.

「アートはみんなのもの」というヘリングさんの思いが、訪れるお客さんみんなにしっかり伝わる展覧会でした。

text by=Eiko Katsukawa

Keith Haring Artwork ©Keith Haring Foundation 

<開催概要>

イベント名:「キース・へリング展 アートをストリートへ」 

会期:~2024年2月25日(日)

開館時間:10:00~19:00
※毎週金曜日・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで

会場:森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)

料金:一般/大学生・専門学校生 2,200円、中高生 1,700円、小学生 700円

公式ページ:https://macg.roppongihills.com/jp/exhibitions/keithharing/

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