＜試写室＞恋に服に、親子に友情に、夢に未来に、過去に希望に…てんこ盛りの最終回！

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今回が最終回…だというのに、かなり情報量が多くなってきたので整理しときましょう

・主人公のサチ（井桁弘恵）は地方から上京してきた服飾デザイナーの卵

・とはいえサチ、前回「東京ガールズコレクション」を経験済み

・それらすべて、背中を押したのはドラァグクイーンのクールミントさん（武田真治）

・サチはクールミントさんの衣装担当

・クールミントさんに弟子入りしてきた安藤くん（上村海成）、実はクールミントさんの元カレ（本多力）の今カレ

・ちなみに安藤くん、職業は探偵

・クールミントさんに絡んでくる女性ドラァグクイーンのマカロン（宇垣美里）とは犬猿の仲

・サチには“三角関係”の構図あり

・一人は、クールミントさんの店で働くバーテンで元サーファーでイケメンのケン（古川雄輝）

・もう一人は、サチの幼なじみで、“郵便局員で安定した収入”の一本鎗、篤史くん（三浦獠太）

・サチとケン、“キッス” 済み

・よって篤史くん、“三角関係”につけ入る隙なし

・そんなことよりクールミントさん、母に捨てられた過去を持つ

・そんな母から“タヌキ”が届く

・クールミントさん、母を誘拐してほしいとサチたちに頼むが…

なんという情報量！！

特に最後の3行。クールミントさんの“母に捨てられた過去”というなかなかハードなトピックスからの、“タヌキ”に“誘拐”と、もうその時点でわけがわかりませんが、それに加えて、この最終回前に書くトピックスで、わざわざ、“安藤くんが探偵”で“篤史くんが郵便局員”という細かすぎる付属情報まで紹介する意味はあるのか？と、思ったみなさん。どうぞ、ご安心ください、タヌキも誘拐も探偵も郵便局員もすべて今回の最終回に欠かせないピースなのです。

なんなら、嫉妬し過ぎて（個人的に）振り返りたくもないのにわざわざ挙げた“サチとケンのキッス”だって、ちゃーんと、ラストへ向けて忘れてはならないピース（個人的には、忘れたい…おい！）になっていますので、その辺、しっかり頭に入れて最終回に臨みましょう。

さて、今回の最終回。トピックスを散々いくつも挙げてしまいましたが、特に大きな軸は2つ。1つは「クールミントさんの過去と未来」問題。クールミントさんは、“ドラァグクイーン”という連ドラ史上最も“ド派手”と言っても過言ではないうえに、最終回前に明らかになった“母（宮崎美子）に捨てられた”というハードな過去。

キャラが濃すぎるうえに、身の上までもが濃い…。ちゃんとドラマとして消化できるのか…。いや、むしろ、クールミントさんという造形に至るまでには、そんなつらい過去があったからこそ…とも言えますが、クールミントさんは今回、過去＝母との関係性を見つめなおすことで、今後の未来も見つめなおす…という物語でもって、最終回らしいドラマチックを演出してくれます。

で、そうだけど、そうはいうけれど、こういう、 “ドラァグクイーンの息子と母”という、どうしたって“さまざまな事情”を考慮しながら描かなければならないものって、説教臭くなりがちで、作り手側が“わかった気”になって一方的な展開にもなりがち、ではあるんだけど、このドラマはどこまでもホントに真摯（しんし）。

ドラァグクイーンというキャラではなく、クールミントさん個人…、いや成田透（クールミントさんの本名）という個人にスポットを当て、キャラも性別も関係なく、どこまでも個人の生き方をどう尊重していくか？というお話に持っていくところが好感。はたして、クールミントさんの過去＝母との決着はどうなるのか？また、そこから派生したクールミントさんの未来は一体どうなるのか？注目です。

2つ目はそう、“サチ×ケン×篤史くんの三角関係”問題。前々から、篤史くんだけ“くん”づけという時点で、僕の肩入れ具合は見透かされているわけですが（だって、しょうがなくない？？バーテンで元サーファーでカタカナのケンって、ないですよね？？…まだ言う）、前回、“サチの笑ってる顔が見たいから、お前（ケン）を会場（サチが衣装を手がけた「東京ガールズコレクション」）へ連れていく！！”という、第1話2話のポンコツ具合は何だったのか！？と、全力でこれまでの“無意味”を取り戻しにかかって、カッコよさを見せつけた篤史くん…なんだけれど、それをサチは知らない…という悲しみ…無意味…（いや、無意味ではない！）。

さて、そんなサチと篤史くんは一体どんな決着をするのか？そして、個人的には嫉妬でしかないサチとケン…そこは順当に落ち着くのか否か…。

ここは、ぶっちゃけると、この「土ドラ」史上で考えると、とてつもなく画期的なエンディングを迎えます！あの、人が殺し殺され、裏切り裏切られ、拳銃突きつけたり、生首出てきたり、血しぶき上げたり、遺骨食ったり、親子丼食わせたり、ママがパパになったり、地球滅亡したり、やんややんやの、やんやでしかなかった、最も普通じゃないドラマ枠「土ドラ」史上、最も「月9」っぽいラストを迎えます！！！

「土ドラ」が「月9」ですってよ！！？？一体どういうこと！？（僕が勝手に言っといて）僕、正直、かなり面食らっちゃったけど、そんな「土ドラ」があったっていいじゃない！？うん、それこそが多様性！！（意味わからん）

とにかく今回も、恋に服に、親子に友情に、夢に未来に、過去に希望に、何もかもがてんこ盛りの最終回、お見逃しなく！！