三笘薫の逆算思考「食事や睡眠などを日記につけて、改善していくとよい」

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サッカー日本代表の三笘薫選手が、子供たちからの質問に答えました。

三笘薫選手は、「FIFAワールドカップカタール2022」で活躍し、今月開催されたペルーとの国際親善試合でも、1ゴール1アシストと圧倒的な存在感を見せつけました。

そんな折、6月22日（木）に、自身初の著書となる「VISION 夢を叶える逆算思考」（双葉社刊）を上梓。

小学校時代から現在までの軌跡を振り返りながら、練習方法や食事、メンタルの整え方などについて詳しく綴っています。

6月25日（日）には、出版記念発表会が開催され、三笘選手が登壇。50組の親子と100人の書籍購入者が参加するなか、三笘選手が、子どもたちからの質問に丁寧に答えました。

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サッカーをしているという子供からの「試合前は緊張してしまう。三笘選手も緊張することはありますか？」という質問には、「試合前に緊張することは自分もたくさんある。いい結果にしたいと気持ちが高ぶっている結果、緊張してしまうのだから、緊張は悪いことではない」と断言。

三笘選手は「ちょっと難しいかな？」と言葉を選びながら、「練習でやれることを増やしていけば、それが自信になる。いろんな経験をして、この時はこうだったという体験を増やしていけば、緊張に対する取り組み方がだんだんわかっていくのでは？」とアドバイスしました。

三笘選手のプレーをみてサッカーを始めたという子供からの、「1対1でボールを取られるのが怖い。どうやって練習したらいいか」という質問には、「1対1は、自分も今でも取られるのが怖い。怖い時は無理に仕掛けなくてもいい」と回答。

「練習でできたことが試合ではできない」という悩みには、「練習でできたことは、“試合ではできない”と思ったほうがいい。サッカーはミスが当たり前のスポーツだから」と、優しく寄り添いました。

その上で、「1対1で逆を突いたり、股抜きしたりするのが、サッカーの醍醐味。自分もネイマール選手を見てマネしたし、自分を見てマネしてもらってもいいから、自分なりの抜き方を見つけてほしい」「練習は嘘をつかないし、練習でできないことは試合では絶対にできない。試合で結果が出るまで練習をしてほしい。成功体験を重ねていこう」とエールを送りました。

「もしサッカー選手になっていなかったら、何になっていた？」という質問では、「歌手。ライブを見ていて、自分の声であんなにたくさんの観客を盛り上げるのはすごいと思って。歌は下手なんだけどね（笑）」と、子供の目を見て率直な答えを。

「宿題をやる気にならないときはどうしていましたか？」という質問には、「宿題がたくさん出て、何の必要があるのか、と思うけど」と苦笑しつつ、「出された課題をきちんとやるという能力がないと、大人になって困ることもある。やれないと成長しないのも事実だし、一方でやりたくないことは『やりたくない』と言って、自分のやりたいことを探していくことも大事。無理せず、メリハリをつけてやろう」と語りかけました。

イベント終了後には、「子供は選手のひと言やプレー、言動に影響されやすいから、自分も自覚していかなければと思う。子供はどこでどんなふうにスイッチが入るかわからないし、サッカーに限らず、いろんなものにつなげていくスイッチを自分が入れることができればと思って」と、子供たちとのセッションに挑んだ思いを語りました。

トークショーでは、小学校から現在までの三笘選手の全キャリアをまとめた書籍の章立てに沿って、この本で一番伝えたかったという「目標シート」やトラップについて研究した大学の卒業論文、Jリーグを経て海外へ移籍した際のエピソードや日本代表に対する思いなどを、詳細にトーク。

「こんなにしゃべっちゃったら、本買わなくていいや、ってなりません？」と冗談めかしながら、「自分のような普通の子供でも、サッカー選手になれた。子供にはいろんな可能性があることを知ってほしい」「長期的な目標を持たずに『ただやっているだけ』では、力は伸びづらい。だからこそ、長期的な目標と中期的な目標を『目標シート』に書いて、そのためには今日何を食べてどういう睡眠をとるかというふうに考えてほしい」など、「逆算思考」と名付けた書籍に込めた思いを語りました。

サッカー選手としての自身の今後については、「まだまだ日本代表の中心選手ではないし、自分のプレーには満足していない。親善試合ももっとできたと思う」と語りつつ、「日本代表でもチームでも中心的な存在になっていきたいし、『こいつに（ボールを）預ければ、なんとかしてくれる』と思ってもらえる存在感をつけていきたい」と熱弁。

また「100％の状態で仕事ができていないと思った時は、自分のコンディションを見極めるために食事や睡眠などを日記につけて、改善していくとよい」「（個人の技術をあげていくことも大事だが）監督やチームメイトがどうしたいか、自分に何を求めているかを考えると、プレーの幅が広がっていくと思う」など、ビジネスの場でも役立つコメントも多く飛び出しました。

記者から書籍の冒頭に書かれた「『後世に語り継がれる選手になる』という目標がある」という部分の意図を問われると、「僕の子供やその子供の代に『こういう選手がいたんだよ』と言ってもらえたら、サッカー選手をやってきてよかったなと思えると思う」と笑顔を見せました。

「後悔をしたくないから努力をし続けたとあるが、どんな背景があったのか？」という質問には、「もともと失敗を引きずりやすいタイプ。夜ふかしをしたり、食事に気をつけなかった結果、試合で後悔したことがあるのだが、見ている人には『それが実力』と思われてしまう。それはもったいないし、その日は二度と帰ってこないのだから、寝る時に後悔しないように過ごそうという思いが徐々に生まれてきた」と、サッカー以外の場面でも見習いたくなるコメントも。

「海外移籍という大きな一歩踏み出すとき、怖さをどう乗り越えたのか」という質問には、「純粋にサッカーを楽しんでいた小さいころに掲げた、夢や目標を振り返った。自分は何のためにサッカーを始めたのか、こんなチャンスは二度とないのではないか、人生が終わった時に後悔しないか？と考えた」と、当時の思いを語りました。

ワールドカップ でのプレーから、「三笘の1ミリ」という流行語が生まれたことについて、「こういう言葉に影響されて、勇気を持って行動を起こしてくれるきっかけになってくれれば」と語った三笘選手。

その言葉にちなんで「人生でギリギリ間に合ったことは？」という質問を受けると、「難しいな…」「通勤ラッシュでギリギリ間に合ったとか、そういうことしか思い浮かばない（笑）」としばらく考えた結果、「大学のときに12時締め切りのレポートを、11時59分に提出したときは、『危なかったなぁ』と思った」と「三笘の1ミリ」ならぬ「三笘の1分」のエピソードを披露しました。