【宝塚OG劇場】花乃まりあ 結婚で感じた変化「家庭を守る」意識が生まれ、仕事に自信

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宝塚歌劇団の元スターに、輝く秘訣やこだわりを語ってもらう「宝塚OG劇場」。第15回は、花乃まりあ（かの・まりあ）さんが登場。

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＜【前編】花乃まりあ 元アイドル役で新境地！松田聖子＆松浦亜弥に憧れ＞

透明感のある美しさと確かな芝居で、花組トップ娘役としてファンを魅了し、2017年の退団後は、舞台や映像で活躍中。8月18日から上演される舞台「SHINE SHOW！」で、元アイドルの会社員・琴浦あかね役を演じます。

本作は、冨坂友氏によるオリジナル作品。とある複合オフィスビル内の会社の社員が、カラオケ大会で歌唱力を競いますが…さまざまな思いを抱える“サラリーマン出場者”と、舞台裏で数々のトラブルに見舞われる運営スタッフの物語です。

フジテレビュー!!は、花乃さんにインタビュー。

後編では、宝塚退団後に感じた変化や、テレビ出演を通じて気づいたこと、結婚生活などについて聞きました。

――宝塚歌劇団を退団して6年半が経ちましたが、舞台に立つ上で、宝塚時代から今も大切にしていることはありますか？

シンプルで当たり前のことだとは思いますが、自分が演じる役に誰よりも興味を持って、愛することを大切にしています。役に限らず実際の人間関係でも、相手にどのくらい興味を持てるかで、理解の深さが変わってくると思うので、日頃から大事にしています。

――役に興味を持って愛するために、具体的に行なっていることがあれば教えてください。

その役の誕生日を決めて、誕生日占いをしています。

宝塚時代に先輩に教えていただいてから、必ず実践しています。宝塚の場合、出演者が大人数ということもあり、役によってはその人物に関する情報が少ないこともあります。そうすると、自分でどれだけ役を作れるかが大事になってくるんです。

もちろん、役について自分でしっかり考えたり、いろいろな方からアドバイスをいただいたりします。その中で、自分の軸がブレたり迷ったりしてしまったときに、指針の一つとして誕生日を決めて、誕生日占いをすると、ちょっとしたヒントになって面白いです。

役柄のイメージから誕生日を決めることが多いのですが、「合っている！」と思う結果が結構出てくるんですよ。新しいお役をいただくごとに、ちょっとした遊び心も含めてやっています。ちなみに、今回演じる琴浦あかねは夏生まれかな？と想像しています。

――宝塚を退団してから、自身が変わったと思うことはありますか？

ありすぎて1つに絞れないですが、やっぱり一番大きく変わったのは、時間の使い方だと思います。宝塚にいたときは、1日24時間では時間が全然足りなくて、寝る時間も食べる時間も惜しいくらいでした。それは、物理的に忙しかったというより、ひとつのことにしかフォーカスできない余裕のなさや、自分の幼さに寄るところが大きかったと思います。

でも退団してから、世界がすごく広がりました。自分のことだけに一生懸命になりすぎるのは、必ずしもいいことではないと気づいてから、オンとオフを分けられるようになりました。その辺りの余裕は、徐々に生まれてきたと思います。

――宝塚トップスターの方は、驚くほど忙しいと聞きます。

自分でやらなければいけないことが、本当に多くて。たとえば取材のお仕事も、今日のようにスタイリストさんやヘアメイクさんなど、それぞれのプロの方に整えていただくのではなく、すべて自分で準備していました。衣装を買いに行って、メイクもして、プラスで作品の準備もあって…。

――退団後は『ZIP！』（日本テレビ）生中継コーナーのリポーターを務めるなど、情報番組でも活躍しています。テレビ出演を続けて、何か感じたことはありますか？

テレビの見方が変わりました。たとえば、おいしそうなラーメンが映っているの見て、以前は「わぁ、おいしそう！」と思っていたのが、今は「画面には映っていないけれど、頑張って箸上げをしているADさんがいるんだな」とか、「ラーメンの湯気を出すために、どのくらいの温め加減で、どんな風に撮影しているんだろう」と、スタッフの方々の努力をすごく想像するようになりました。

私が番組で担当させていただいているコーナーも、放送時間は短いですが、本当に多くの方が関わっています。舞台も同じですが、制作の裏側を知ると、見方や考え方も変わると感じています。

――視点が広がった、とも言えますね。

「広がった」で言うと、もう1つあります。私は番組で街頭インタビューをするなど、一般の方と接する機会もあるのですが、いろいろな場所で、いろいろな方とお話しできることがすごく楽しくて。宝塚では基本的に、決まったメンバーで過ごすので、退団して自分の世界が広がったなと感じます。

それに今までは、こうして自分の話を聞いていただく機会のほうが多かったですが、自分がインタビュアーとして話を聞く側になり、「相手に興味を持って話を聞くって、こんなに難しいんだ」と、会話を引き出す難しさを学びました。

――花乃さんは約2年前に結婚しましたが、結婚してから変化を感じることはありますか？

結婚した当初は、自分の中でいろいろと大きく変わりました。お仕事に対する向き合い方もそうです。「家庭を守っている！」みたいな意識が生まれたことで、自分に自信が持てて、いい意味でリラックスしながら頑張れるようになりました。

結婚生活に関しては、あまり変わっていない気がします。というのも、私はロマンチストなタイプだからか、結婚に対して「覚悟と忍耐が必要」というより、「愛があるから一緒にいる」と、シンプルに考えています。ですから、生活のなかで何かが変わったというのは、ないですね。

――休日は、夫婦で出かけたりもしますか？

夫も私もカフェが好きなのでカフェへ行ったり、パン屋さんへ行ったり、お散歩したりと、のんびり過ごしています。

――花乃さんは“ひとりピクニック”が好きだそうですが、2人で行くことも？

2人でも、1人でも行きます（笑）。GWには、夫の家族とみんなでピクニックへ行きました。お義母さんやお義姉さんと「ご飯は持ち寄りにしますか？買って行きますか？」など、いろいろ相談をして、仲良く協力し合いながら楽しんでいます。家族との時間が、今の私にとって一番大切だと感じています。

撮影：河井彩美
ヘアメイク：清水尚子
スタイリング：槇佳菜絵
衣装協力：CELFORD（ワンピース）、ダイアナ（靴）、他スタイリスト私物

【東京公演】2023年8月18日（金）〜9月4日（月）／日比谷シアター・クリエ
【兵庫公演】2023年9月15日（金）〜17日（日）／兵庫県立芸術文化センター阪急 中ホール

出演：朝夏まなと、小越勇輝、花乃まりあ、木内健人、石坂勇、増本尚、柳美稀、栗原沙也加、西村直人、久ヶ沢徹／中川晃教
作：冨坂友（アガリスクエンターテインメント）
演出：山田和也
製作：東宝

公式サイト：https://www.tohostage.com/shine_show/index.html