「限られた収入で暮らせるか心配」「生活費が年金内で収まっていない気がする」。
これまでお金の使い方をおおまかにしか把握していなかったが、年金生活に入り、お金の収支をきちんとつかんでおきたい――。
婦人之友社が発行するシニア雑誌『明日の友』編集部には、読者からこのような声が届くといいます。
1904年に家計簿を創案した出版社が、なぜ今、シニア特化型の家計ノートなのか。
10月6日に発売された『シニアのお金覚え書き帖』を手がけた小幡麻子(『明日の友』前編集長/現・家計デザイングループ長)に、開発のきっかけや新刊に込めた想いを聞きました。
暮らしの変化に合わせて極力シンプルに
今も続く家計簿『羽仁もと子案家計簿』。
婦人之友社の家計簿の理念は「あらかじめ生活費などの予算を立てて、それに基づいてお金を使う」という「予算生活」の考え方です。
これまで積み重ねてきたこの伝統は、今も多くの人々の確かな暮らしを支え続けています。一方で、社会の変化とともにシニア世代の生活やお金との付き合い方も多様化してきました。
長年培ってきた家計の知見を大切にしながらも、漠然とした不安を抱く読者の声に寄り添う“もうひとつの選択肢”として生まれたのが、今回の試みでした。
「年金生活の明日の友読者からは『シニアの生活はシンプル。そんな暮らしに合う家計簿があるといい』との声が届いていました。また、多くのシニアと接する中で、自分でお金を管理する=書き留めることは、自立につながるとも確信していたので、使ったお金を記入することから始めるシンプルな家計簿が必要だと。予算生活を前提としない家計簿を出すことに、社内でもさまざまな意見が出ましたが、これまで家計簿をつけてこなかった人たちが、すぐに使える、 新たなツールをと、出版を進めていくことになりました」(小幡)
記入項目は食費・日用品・楽しいこと・医療費の4つに分類
まず、従来の家計簿で使われている「費目」という言葉のかわりに、直感的に伝わる「項目」という表現を使用。さらに、日々の支出を大きく「食費」「日用品」「楽しいこと」「医療費」の4つに絞り込み、シンプルにしました。
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ちょっとしたお買い物を楽しむことや、友人とのお茶の時間。 そうした日常のささやかな彩りを大事に記録してほしい――。
『明日の友』が大切にしてきた「シニアの暮らしには楽しみを」という願いのもと、あえて「楽しいこと」という項目もたてました。
『当初は「趣味・娯楽」にすることも検討。サンプルを用意し、読者モニターに記入してもらったところ、ひとりのカフェ時間や友人との食事は、趣味にも娯楽にも分類できなかった。「楽しいこと」だったら、そこに書けたかも』という声があったのです。その実感に背中を押され、「楽しいこと」の項目にしました』(小幡)
日々の記録をメモしていくスペースも、設けています。まさに覚え書き帖。
「お金というのは、自分が本当に大事にしていることや、人との関係性が見えてくるもの。生活にかかるお金をつかんだ上で、前向きな暮らしを支えていくノートになることを願っています」(小幡)
蓄積されたデータが明かすシニアのリアル
婦人之友社では、長年にわたり、全国の友の会メンバー(読者の会)の協力を得て、30~90代の家計簿データを蓄積・分析し続けています。
70代の純生活費の内訳
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「2025年全国友の会家計報告」より。上の円グラフは70代の純生活費の内訳(一世帯1か月平均)。リアルな70代の純生活費がわかる。60代・80代のデータは、10月5日発売の『明日の友』284号で紹介している。
・特別費とは直系親族への支出、かけ捨ての保険、会費類など。
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生活全般にわたる物価上昇が続く中、70代の10年前と現在の生活費を比較する興味深い家計のデータが上の表です。食費は10%、光熱費は31%のアップ。その分、衣服費や交際費などのお金で調整していることが明確に表れています。
普段から家計を意識している人は、食費が上昇する経済状況の中でも健康的な食生活を維持し、工夫しながら支出を見直し、生活費をコントロールしているといえます。
「支出を把握できていないと『お金が減っていく』という漠然とした不安ばかりが膨らみますが、把握できると『実は楽しみや、本当に大切にしていることに使えるお金はある』と気づけることも少なくありません」そして、1年を通して書くことができたら、自然に自分のお金の流れと資産全体も見えてきます。何より、自立して生きているという心の拠り所にもなると思います」
安心して心豊かに暮らすために――。
新しく生まれた『シニアのお金の覚え書き帖』が、年金世代をこれからも支え続けていきます。
『シニアのお金覚え書き帖』の使い方
●日々の支出、固定支出、収入を書き出す「毎月のまとめ」。その月、収入の範囲で暮らせたのか、赤字だったのかが一目瞭然です。↓
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●「年金振込通知書」が届いたらここに記入。
税金や社会保険に「お金の年間予定」が立ち、全体を把握できます。↓
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●預金や投資などの資産も一目瞭然。わが家の資産は、子ども世代との共有にも役立つ。かけすて保険と損害保険は資産ではないが、覚え書きとして記載します。↓
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『シニアのお金覚え書き帖 2027年版』
判型:B5判
発売日:10月6日
価格:990円(税込)
ISBN:978-4-8292-1136-6
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シニアの健やかな暮らしを願って53年
『明日の友』284号 秋
判型:B5判
家計特集/月10~20万円台で安心できる年金家計
発売日:2026年10月5日
価格:840円(税込)
【書籍・取材に関するお問い合わせ】
株式会社 婦人之友社
〒171-8510 東京都豊島区西池袋2-20-16
TEL:03-3971-0104 FAX:03-3982-8958
家計デザイングループ:小幡 /宣伝:三宮
ホームページ:https://www.fujinnotomo.co.jp/
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