「今、自分にできること」が世界の誰かの喜びになる。なかよし学園が大切にする“トレーサビリティ”を通じた平和構築の学び
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクトは、千葉県佐倉市立臼井中学校、間野台小学校、王子台小学校の3校において、ネパールで実施した教育支援活動のフィードバック講演会を行いました。

王子台小学校での講演会

間野台小学校での講演会

臼井中学校での講演会
今回の講演会では、2026年6月にネパール・ルンビニ州およびカトマンズで実施した教育支援活動の様子を、生徒児童たちに報告。佐倉市の子どもたちが作った教材や日本文化を紹介する学びが、ネパールの子どもたちや先生方にどのように届き、どんな笑顔や驚き、学びを生み出したのかを伝えました。
なかよし学園が大切にしているのは、教材や支援物資を「届けて終わり」にしないことです。

折り紙を使った授業で子どもたちにクリエイティビティを教える中村里英事務局長
誰が、何を考え、何を作り、それが世界のどこへ届き、どんな人が受け取り、どんな喜びや学びが生まれたのか。その一連の流れを日本の教室へ戻すことで、子どもたちは「自分たちの学びが世界の役に立った」という実感を得ることができます。
この“トレーサビリティ”こそが、なかよし学園の「世界とつながる学び」の核心です。

王子台小学校の絵合わせカルタ

間野台小学校の味噌とレシピ

王子台小学校の折り紙
佐倉市の学びがネパールへ届いた
なかよし学園は、2026年6月、ネパールの学校において、日本の学校で子どもたちが制作した教材を活用した教育支援活動を実施しました。
王子台小学校の児童が制作した絵合わせカードや紙コップけん玉は、ネパールの学校で日本型教育を紹介する教材として活用されました。子どもたちはカードを使いながら観察力や記憶力を働かせ、身近な素材から学びを生み出す日本の教育に触れました。
間野台小学校の児童が制作した折り紙作品や、佐倉味噌を使ったレシピ教材は、日本文化を伝える教材としてネパールに届けられました。折り紙は子どもたちだけでなく現地の先生方にも大きな関心を持って受け止められ、今後、先生たち自身が児童生徒へ伝えていく可能性も生まれました。
また、臼井中学校はこれまでも佐倉市の「世界とつながる学び」に参加し、カンボジア難民キャンプなどでの教育支援活動へ学びをつなげてきました。今回の3校でのフィードバック講演会は、佐倉市の小中学校で続いてきた国際協力・平和教育の歩みを、次の学びへとつなげる機会となりました。

講演会では「答えのない問題」をディスカッションする場面も
「世界のリアル」を知り、自分にできることを考える
講演会では、なかよし学園プロジェクト代表の中村雄一が、ネパールでの授業の様子を写真や映像を交えながら紹介しました。
テーマは、「世界のリアルを知って、今、自分に何ができるかを考えよう」。
子どもたちは、ネパールの学校の様子、現地の子どもたちが日本の教材に触れて喜ぶ姿、先生方が日本の教育に驚きながら学ぶ様子を見ながら、自分たちの日常の学びが世界とつながっていることを実感しました。
講演では、災害、戦争、平和、文化、歴史、探究学習などを題材に、「災害が起こったら自分はどうするか」「戦争を止めるにはどうすればよいか」「自分の町の歴史や文化を世界に伝えるなら何を伝えるか」といった、答えのない問いについて考える時間も設けられました。
なかよし学園が伝えたのは、平和は遠い世界の誰かがつくるものではなく、今、自分にできる小さな行動から始められるということです。

臼井中学校作成のアクリルたわしはカンボジアの難民キャンプに届いた
「みんなを笑顔にするためには?」――講演後、子どもたちの問いが動き出す
間野台小学校5年生の担任・若松先生からは、講演会後、次のような感想が寄せられました。
90分夢中で話を聞いていました。事前に「世界と日本のよいところ、違い」の学習を行ったところ、世界のことがわからないという話になりました。また、平和について広島の原爆の動画をみて、日本と戦争のことを少し学びました。その後の講演だったので、とても興味をもって話を聞いていました。避難の仕方がわからないことにとても驚いていました。講演後「みんなを笑顔にするためには?」の発問で、どんなことをしていきたいか考えました。平和のために世界の人たちにしたいこと、身近な人にしたいことを考え中です。
子どもたちは、ネパールの子どもたちが避難の仕方を十分に知らないことや、日本では当たり前に学んでいる防災教育が世界では必ずしも当たり前ではないことに驚きました。
そして、講演を聞いた後、「世界の人たちのためにできること」と「身近な人を笑顔にするためにできること」を、自分自身の問題として考え始めています。
支援ではなく、学び合いとしての平和構築
なかよし学園の活動は、一方向の支援ではありません。
日本の子どもたちが学び、考え、作った教材が世界へ届く。
世界の子どもたちや先生方がそれを使い、喜び、学ぶ。
その反応が写真や動画、言葉となって日本の教室に戻る。
そして日本の子どもたちは、自分たちの学びの価値を実感し、次の行動を考える。
この循環によって、日本と世界の子どもたちは「支援する側」「支援される側」という関係を越え、互いに学び合う存在になります。
なかよし学園では、この循環モデルを「CoRe Loop」として位置づけています。Create、Deliver、Co-create、Returnの流れを通じて、子どもたちの学びを世界の教育現場で実装し、その成果を日本の教室へ戻すことで、学びの価値を可視化しています。
今回の佐倉市3校でのフィードバック講演会は、まさにその「Return」の実践です。

間野台小学校に還ってきたネパールルンビニ市長からのカタ(伝統的スカーフ)
中村雄一代表コメント
佐倉市の子どもたちが作った教材や、日本文化を伝える学びが、ネパールの子どもたちの笑顔につながりました。これは、ただ「海外に届けた」という話ではありません。日本の教室で生まれた学びが、世界の教室で本当に使われ、現地の子どもたちや先生方の学びになったということです。
私たちは、この流れを子どもたちに必ず返したいと思っています。自分が作ったもの、自分が考えたこと、自分が今できることが、世界の誰かを喜ばせる。その実感は、子どもたちにとって大きな自信になります。
平和構築というと、とても大きく、難しいことのように感じるかもしれません。しかし、誰かを笑顔にしたいと思うこと、自分の得意なことや好きなことで誰かの役に立とうとすることも、平和をつくる大切な一歩です。
佐倉市の子どもたちには、今回のフィードバックを通じて、「自分にも世界を変える力がある」と感じてほしいと思っています。

日本国内でも数々の賞を受賞している中村雄一代表
中村里英事務局長コメント
ネパールの子どもたちは、佐倉市の子どもたちが作った折り紙やカードを、とても大切そうに手に取っていました。日本では身近にある紙や手作りの教材が、現地では大きな驚きや喜びになります。
子どもたちが一生懸命作ったものには、相手を思う気持ちが込められています。その気持ちは、言葉や国境を越えて届きます。
今回、佐倉市の3校でフィードバック講演会を行い、ネパールでの様子を直接伝えることができたことは、とても大きな意味がありました。自分たちの学びが誰かの笑顔につながったと知ることで、子どもたちは次に何ができるかを考え始めます。
これからも、子どもたちが「自分にもできることがある」と感じられる機会を、日本と世界の教室でつくっていきたいと思います。

ネパールで日本の防災を教える中村里英事務局長
今後の展望
なかよし学園は、今後も佐倉市をはじめ、日本各地の学校・教育委員会・自治体と連携しながら、「世界とつながる学びプロジェクト」を推進していきます。
子どもたちが普段の授業や探究学習で生み出した教材、作品、地域文化、アイデアを、ネパール、シリア、カンボジア難民キャンプなど世界各地の教育現場へ届け、その活用の様子を日本の教室へ返していきます。
「願う平和」から「行動する平和」へ。
そして、「行動した平和」が子どもたちのもとへ戻り、次の行動を生み出す学びへ。
なかよし学園は、子どもたち一人ひとりが「今、自分にできること」で世界とつながり、誰かを笑顔にできる教育を、これからも実践していきます。

JICAマガジン6月号に掲載中のなかよし学園の活動
実施概要
実施内容:ネパール教育支援活動フィードバック講演会
実施校:千葉県佐倉市立臼井中学校、佐倉市立間野台小学校、佐倉市立王子台小学校
実施団体:特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト
主な内容:ネパールでの教育支援活動報告、佐倉市児童生徒の教材活用報告、平和教育・国際理解教育・探究学習講演
関連活動:世界とつながる学びプロジェクト/CoRe Loop
団体概要
団体名:特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト
代表者:中村雄一
所在地:千葉県松戸市
事業内容:世界とつながる学び、国際教育支援、平和教育、探究学習、食育・防災・WASH教育、国内外の学校連携事業
本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org
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