デニス・ソンホさんが初コンサートの手ごたえを語りました。

9月30日に東京・YAMAHA HALLにてクラシックギタリスト、デニス・ソンホさんが「Denis Sungho Japan FIRST CONCERT」を開催しました。

<世界最高峰クラシックギタリストが来日!仕掛け人が語るデニス・ソンホの音楽の力>

韓国で孤児として生まれ、生後9ヵ月でベルギー人夫妻の養子となったデニスさんは、7歳でクラシックギターと出合ったことを機に、メキメキと音楽の才能を発揮。

その後、故郷である韓国・釜山へ移住し、現在はヨーロッパや韓国を中心に、グローバルに活動しています。

デニス・ソンホ(左)

先日、放送された『プレミアの巣窟』(フジテレビ)では生演奏を披露したほか、10代のころからの念願だったという、日本で初めて開催するコンサートへの期待を語りました。

<クラシックギターで世界を魅了するデニス・ソンホ「音楽を通して愛と希望を届けたい」>

フジテレビュー!!は、ゲストボーカリストに土屋アンナさんや韓国OST界のプリンス・Sanhaさんを迎えたコンサートの様子をレポート。

さらに、帰国したデニスさんから、日本のファンの皆さんへ向けたメッセージをあわせて紹介します。

<JAPAN FIRST CONCERT レポート>

会場となったのは、銀座にあるYAMAHA HALL。キャパ300人強のホールですが、客席を見渡してみるとほぼ満席に近い状態。どの顔も、開演を今か今かと待ち構えている様子です。

定刻になり、デニスさんがギターを手にリラックスした表情で登場。「Island」で日本ファーストコンサートの幕が開きました。どこか懐かしさを感じるアコースティックな音色に、観客はウットリとした表情で応えます。

3曲目はデニスさんが愛娘のために書き下ろした「Sooah’s song」。「初めて血のつながった家族をもったことで、僕の音楽は大きく変わった」と『プレミアの巣窟』で語っていたように、かけがえのない存在へ向けた大きな愛を感じるメロディです。

フランス語、英語、韓国語に日本語を交えてMCを

ストリングスの大谷舞さん(ヴァイオリン)、武市華奈さん(ヴィオラ)、古川淑惠さん(チェロ)、倉持敦さん(コントラバス)にダミアン・リーさん(electoro)が加わった後は、「Tango en skai」で、文字通りタンゴのリズムにのせた情熱的な演奏を披露。

さらに、ロックバンド・Qeenの「Bohemian rhapsody」を時にやさしく、時にエネルギッシュに奏で、場内の空気を圧倒しました。

最初のスペシャルゲスト・Sanhaさんとは、日本でも放送された韓国ドラマ『チェオクの剣』の劇中歌「悲歌」をコラボ。Sanhaさんの情感たっぷりの歌唱を、デニスさんの演奏が盛り上げます。

小田和正さんの「たしかなこと」では、客席の皆さんもSanhaさんと一緒に腕を大きく左右に振り、この光景にはデニスさんもうれしそうな表情を浮かべました。

Sanhaは流ちょうな日本語で軽快なトークを披露

第1部のラストはデニスさんの音楽に多大な影響を与え、今も敬愛してやまないという坂本龍一さんの「Merry Cristmas Mr.Lawrence(邦題=戦場のメリークリスマス)」。

9月末とはいえ、外はまだまだ暑さの残る時期でしたが、イントロが流れ始めた瞬間、しんしんと降る雪が見えるかのような静寂に包まれ、デニスさんがどれだけこの曲を大事に思い、この演奏にかけているかがダイレクトに伝わってきました。

15分のブレイクタイムをはさみ、第2部へ。

こちらのスペシャルゲストは土屋アンナさん。モデルや女優としての活動のほか、ロックシンガーの顔ももつ土屋さんですが、普段はジャズのスタンダードナンバーなども歌っているそうで、その歌声に観客は大きな期待を寄せます。

海を思わせる淡いブルーのドレスで登場

デニスさんが曲を書き、土屋さんが作詞を担当した「Letter」を披露し、「Melt into blue」では自身の誕生日が3月11日であることから、東日本大震災以来、複雑な心境で誕生日を迎えていることを明かし、そして、平和への願いを込めながら、魂の叫びともいえる歌唱を披露しました。

裸足で登場した土屋アンナは全身で曲への思いを表現

ラストはデニスさんのソロナンバー。『プレミアの巣窟』出演時、一番好きな日本語として「感情を込めてください」という言葉をあげていたように、その演奏にはデニスさんがこれまで歩んできた道のり、そして、音楽を通して得たものすべてが注ぎ込まれているようで、観客も真剣に耳を傾けます。

本編が終了しても拍手は鳴りやまず、Wアンコールに。客席からは何度も「ブラボー!」という声が飛び、デニスさん念願のファーストコンサートは大成功で幕を閉じました。

<セットリスト>

PARTⅠ

Denis Sungho「Island」「Korean mountain」「Sooah’s song」

Roland Dyens「Tango en skai」

Queen「Bohemian rhapsody」

Denis Sungho「One color suite」~「Hope」

Stanley Meyers「Cavatina」

Denis Sungho「One color suite」~「Epilogue」 

Special Guest :Sanha「Hika」「Tashikana Koto」

坂本龍一 「Merry Xmas Mr Lawrence」

PART II

Isaac Albeniz  「Asturias」

Island Baby 「섬십아기 (Korean lullaby)」

Denis Sungho   「Fisherman waltz」

Special Guest:土屋アンナ

Denis Sungho (music)、土屋アンナ (Lyrics) 「Letter」

土屋アンナ 「Melt into blue」

Denis Sungho 「La nuit」 ~ 「the night」

「Une vie part 1」 

「Une vie part 2 」

【Encore】

「Epilogue with electro」

「Serge Gainsbourg, la javanaise」

<ゲストミュージシャン>

Violin:大谷舞

Viola:武市華奈

Cello:古川淑惠

double bass:倉持敦

electro:Damien Lee

<デニス・ソンホ インタビュー>

――日本のオーディエンスの印象はいかがでしたか?

観客の皆さんと一緒にいることをダイレクトに実感し、皆さんから祝福されているのだと感じました。エネルギッシュなフォルテからセンチメンタルなピアニシオまで、聴衆の息づかいがダイレクトに伝わってきて、エネルギーと温かい歓迎を受けとりました。

コンサートを終え、全ミュージシャンで記念写真

――ゲストボーカリストとのセッションの感想を聞かせてください。

Sanhaは純粋に音楽の世界に入り込んでいて、まるでクラシックの室内楽にポップスを加えたような歌唱でした。彼と私の間で、確かに気持ちが通じ合った瞬間でした。

デニス・ソンホとSanhaは息の合ったコラボレートを

アンナは抜群のセンスをもっているだけでなく、音楽に対する深い造詣、何より、彼女が書き下ろした歌詞の素晴らしさに感動しました。

私の曲と彼女のリリックがコラボレーションしたことにより、彼女は儚い美しさを存分に表現したのではないでしょうか。アンナがもつエネルギーと芸術的センスは本当に素晴らしかったです。

左から)Sanha、デニス・ソンホ、土屋アンナ

――ファーストコンサートを終えた今の心境は?そして、日本のファンの皆さんへメッセージをお願いします。

ステージで私の持てるすべてを出しきったので、ショーが終わった後は疲労感がありました。音楽へのリスペクト、そして、日本の観客の皆さんへのリスペクトで、今回、たくさんの準備をしました。ですから、終演後には少し空(むな)しさを感じてしまいましたが、その虚無感を観客の皆さんの大きな愛がうめてくれました。

私の人生で最高のコンサートの一つになったと思います。集中して音楽と向き合うことができました。会場にお越しいただいた皆さん、どうもありがとうございました。