『この素晴らしき世界』第1話完全版

浜岡妙子(若村麻由美)は、印刷会社勤務の夫・陽一(マキタスポーツ)、社会人1年目の息子あきら(中川大輔)と暮らす主婦。「ラビットマート」でパートとして働く妙子は、パート仲間の真由美(猫背椿)と夫や息子の愚痴を言い合いながら毎日を過ごしている。

使えない新人パートの育田詩乃(平祐奈)に手を焼きつつ、夫との離婚について話す妙子と真由美。真由美は、離婚するなら最低でも300万円は必要だと妙子に教えた。

そんな日々の中で、妙子には最近、ちょっとした不安があった。外出すると必ず見かける男がいたのだ。妙子は、自分がつけられているのでは、と陽一に相談する。が、「更年期ではないか?」といなされてしまう。

ある日、妙子が家事をしていると、インターフォンが鳴る。モニターに映っていたのは、その不審な男・西條隼人(時任勇気)だった。西條は、妙子に「プロダクション曼珠沙華」と書かれた名刺を渡し、ある仕事を頼みたいと言いだす。

実は同事務所の女優・若菜絹代(若村麻由美:二役)が、週刊誌で5年前のスキャンダルを暴かれていた。そのスキャンダルには反社会勢力幹部の男も関わっており、事務所サイドは事態の沈静化を図るために謝罪会見を開くことにする。

しかし、肝心の若菜が会見を目前に姿を消してしまっていた。そこで西條は、顔だけでなく声まで若菜とそっくりな妙子に、身代わりとなって会見に臨んでほしいと言う。断ろうとする妙子だが、その報酬が300万円と聞いて…。

別の日、今度は事務所の副社長・安原光顕(西村まさ彦)が訪ねてきて、改めて妙子に仕事を依頼する。安原は、カバンからむき出しの札束を取り出して妙子の前に置くと、成功報酬の先払いだと告げた。

身代わり会見の仕事を受けることにした妙子は、事務所の社長・比嘉莉湖(木村佳乃)や若菜の付き人だった室井セシル(円井わん)、ヘアメイクの大木戸らん(谷田部俊)らとの顔合わせを経て、会見までの2週間、より本物の若菜に近づけるためにダイエットやトレーニングを重ねた。

そして謝罪会見当日。会見場のホテルを訪れた妙子は、黒のドレスに身を包み、ロングヘアのウイッグと完ぺきなメークを施されて、若菜と瓜二つの姿に生まれ変わる。それは、若菜の夫・水田夏雄(沢村一樹)も驚くほどだった。

夏雄とともに会見に臨んだ妙子は、何度も繰り返し練習したセリフを間違えることなく話す。ところが会見の最後に、記者から「相手の男性が反社会勢力の人間だと知らなかったのは無理があるのではないか」と予定外の質問が。戸惑う妙子。その危機を夏雄が救う。

夏雄は「若菜の言葉を信じる」「ずっとこの人と一緒に生きていきます」と涙ながらに訴えた。その姿に心を打たれ、涙を流す妙子。この会見のもようは、「神対応」「理想の夫婦」と報じられ、SNS上でも若菜に好意的な意見が並んだ。

大役を終えた妙子は、慌てて家に帰ろうとするが、そのとき安原の電話が鳴る。アメリカにいる若菜が倒れ、病院に緊急搬送されたという知らせだった。

若菜は現在、意識不明の重体なのだという。すると安原は、「このまま若菜絹代が帰ってこないとなるとこの会社は潰れます。状況が落ち着くまでもう少しの間、力を貸してください」と妙子に頼み…。

<最新放送回は、TVerFODで無料配信中!>