「(ネチネチネチ…)」(リカがポケットから何かを取り出す音)
こんな擬音ではきっとなんにも伝わらないかと思いますが、物語の中盤、主人公リカ(高岡早紀)が、白衣のポケットからビニール袋に包んだ“あるもの”を取り出すシーンに付けられた効果音(ネチネチネチ…)は、第2話で「大好物!」とはっきり言及した“ミートソーススパゲッティ”の効果音と併せて、「2019年テレビドラマ効果音大賞」グランプリに輝きました!おめでとうございます!!(もちろんそんなものはありません)
ネチネチネチ…と取り出された“あるもの”が一体何なのか?オンエアを乞うご期待!!!
と、こんな風にふざけてないと平常心が保てないくらい、そのシーンがあまりにも怖すぎました。どれぐらい怖かったかというと、レビューを書かなきゃいけないのでメモ片手に「どれどれ…今回の面白ポイントどこかな?」なんつって身構えてたペンが止まり、油断して緩んでいた口がふさがり、シーン直後の“リカと院長(西岡德馬)のシーン”が全く頭に入ってこず巻き戻したくらい怖かったです。…全然伝わりませんね。
と、おふざけはここまでにしといて、今回の第2話は、リカが意中の大矢先生(小池徹平)を手中に収めるべく様々なトラップを仕掛けていく“策士”な部分が丁寧に描かれているので、ここからが本領発揮という感じ。中でも大矢先生の担当になった同期ナースである倉田さん(藤本沙紀)の些細な言動にリカが強烈に嫉妬し罠を仕掛けていく様子は、“倉田さん”という絶妙なキャラクターも相まってかなり見応えがあるものに。
そして今回の山場は、リカが大矢先生に手術室で施す“人心掌握シーン”。同枠で放送されたユースケ・サンタマリア主演『火の粉』でも、陥れようとする人物をなぜかマッサージチェアに座らせ懐柔していくという場面があり、それが強烈なインパクトでトラウマになりましたが、今回はそれに勝るとも劣らない“人心掌握”です。これはまさに映像化だからこそ表現できた恐ろしさで、その直後に冒頭の“ネチネチネチ…”でとどめを刺してくるので、恐怖の耐性が弱めな方は要注意。
だけど、リカはせっかく大矢先生をものにできそうだったのに“ヤバさ”がダダ洩れしてしまい、案の定引かれてしまう…という綻びもあるので、ドラマをよりスリリングに演出してくれます。完全無欠の恋愛サイボーグではなく、愛しすぎたが故に想定以上に暴走してしまうあたりがリカの人間っぽさであり、それが若干かわいく…思えて…く…る?ついつい自分が掌握されそうでした。目を覚ませ!自分!!
そして個人的などうでもいい情報ですが、この映像が届いたのがちょうどランチ終わりの眠たい時間帯で、正直導入部分は眠気をこらえながらだったのに、物語が進むにつれ、あまりの展開に後半は興奮しきり、眠気どころの騒ぎではなくなってしまいました。
土曜の深夜、興奮で眠れなくなってしまう視聴者が続出しやしないかと心配です。
text by 大石 庸平 (テレビ視聴しつ 室長)