11月17日、映画「夜、鳥たちが啼く」の完成披露舞台挨拶が行われ、山田裕貴さん、松本まりかさん、城定秀夫監督が登壇しました。

本作で、内に秘めた破壊衝動と葛藤する、主人公の売れない小説家・慎一役を山田さんが、離婚を機に息子とともに慎一に身を寄せるヒロイン・裕子を松本さんが演じます。

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山田裕貴&松本まりか「こういう作品がやりたかった」

本作のオファーを受け、山田さんは「僕は人が生きている中で抱える小さな心の動きとか、生きづらさを感じている人が、どうしたらうまく生きられるだろうかと考えることがすごく好きで。お芝居をしていないような、リアルな時間を城定監督は切り取ってくれて。編集やカット割りとかではなく、間とかをまんま届けていたり、長回しで撮っていく作品が好きなので、こういう作品がやりたかった」と説明。

続けて「まりかさんとも、5作品くらいやってきているからこそできる空気だったんじゃないかと。『はじめまして』の女優さんではできなかったと思う。本当に恵まれた作品になったなと思っています」とコメントしました。

一方、15歳でデビューするも、あまり映像作品に出られず、苦労があったという松本さんは「こういう作品からお声掛けいただけるようになったんだと非常に感慨深かったです。こういう作品に憧れていて、『私はスクリーンに映えない人』なんだと思っていて。『人のすべてが出てしまうような作品に出られる女優になりたい』と密かに思い続けていて」と吐露。

続けて、「映像作品に出演できるようになるも、キャッチーな役やテレビドラマへの出演が多かった」といい、「そんな中で、この作品のお話があって。目の前のことをがむしゃらにやってきたら、気付いたら若い頃に憧れていた世界に来られて、すごくうれしくて。城定監督の作品ができるというのはすごくラッキーだったなと思います」と明かしました。

山田さんとの共演については「相手役が山田くんだと聞いたときに『これは面白くなる』と思いましたし、山田くんのこういった(役どころでの)作品を知らないし。山田裕貴さんというのは、人間力がすごいんです!人間なんですよ、分かります?」と語ると、山田さんは「人間です」とおうむ返し。

「生命体!」と松本さんがフレーズを見つけると、山田さんは「そうそう、生命体ですよ」と返答。

松本さんは「この生命体から何が出てくるんだろうとワクワクしましたし、(本作の話がきたとき)ちょうど『先生を消す方程式。』(テレビ朝日)でジョーカーみたいな、とち狂った役をやっていた時期で、それも素晴らしくて」と止まらず。

「当時、『ここは今から倫理です。』(NHK)にも出ていて、めちゃくちゃ素晴らしくて!この人は本当にすごい人なんだなと思っていたところに、『この役か』と思い、本当にウキウキしましたし、現場でも生命体なんです!」と熱弁。

松本さんは「伝わる?」と確認すると、山田さんは「伝わってます、俺はめっちゃ理解できてます」とフォローしました。

「すごくしゃべってますね、私」と“舌好調”な松本さんに、山田さんは「さっき裏で『しゃべれなかったら助けてね』って言ってたのに、『めちゃくちゃしゃべるやん』って、今思ってます。いいですね、いい傾向です」とつぶやきました。

山田裕貴「一人ひとり皆さんが、今が幸せだと思えることが一番大事」

最後に山田さんは、「今(客席に)座られてるお客さんの数だけ人生があって、地球にいる人の数だけ人生があって。それで僕らは同じ学校に行ったりして育って、『常識ってこういうもんだ』っていう風に教わって、だんだん狭められた生き方をしていると思うんです」と説明。

「だから『結婚とはこういうものだ』『愛情とはこういうものだ』と、カテゴライズしないといけない風になっているけど『誰が決めた?』っていう。一人ひとり皆さんが、今が幸せだと思えることが一番大事なことで。SNS社会になって、いろいろなことに『あれは悪だ、あれは正義だ』となっている世の中で、『その人たちの人生を知っていますか?』と聞くと、知らないと思うんです」。

「だからこそ、自分が周りの目を気にせず、幸せを求めることが大事であって、そこに多様性があって、いろんな生き方をしていて良くて。みんながそれを支えあえる、『いいね!』って言える世の中でなればいいなという願いも、この作品に込めています。そういう生きづらい人たちが一歩踏み出す作品なので、そういうところを見てもらえたらいいなと思います」と呼びかけました。

「夜、鳥たちが啼く」は、12月9日(金)より新宿ピカデリー他にて公開。

配給:クロックワークス
©️2022 クロックワークス