『テッパチ！』第6話完全版
国生宙（町田啓太）ら陸上自衛隊の自衛官候補生の前期教育終了まで、残すところあとわずかとなっていた。
＜ドラマ『テッパチ！』これまでのあらすじ完全版＞
自候生たちから提出された希望職種を見る教育中隊長の八女純一3佐（北村一輝）と教官の桜間冬美2尉（白石麻衣）。そこにはそれぞれの希望職種と合わせて理由が書かれていた。
馬場良成（佐野勇斗）の第一志望は、憧れている音楽科が狭き門ということから、陸上自衛隊の根幹である普通科。他の第一班のメンバーは、荒井竜次（佐藤寛太）は高射特科、丸山栄一（時任勇気）は機甲科、武藤一哉（一ノ瀬颯）は衛生科、渡辺淳史（坂口涼太郎）は需品科、小倉靖男（池田永吉）は会計科、西健太（藤岡真威人）は野戦特科をそれぞれ第一志望にしていた。
そして宙は、第一志望から第五志望まですべて普通科と書いて提出する。希望理由には「肉体的精神的に強くなりたい！！」と書いていた。
そんな折、実際の戦場を想定した戦闘訓練と徒歩行進訓練を柱にした2日間の総合訓練が行われる。「この3ヵ月間に鍛え上げてきたものをすべて出し切れ！」と宙たちに発破をかける八女。
朝、総合訓練の準備をしていた宙は、見知らぬ電話番号から着信があり、留守電にメッセージが残されていることに気づく。母・早苗と再婚した相手、三輪公平からだった。
早苗が事故に遭い、危険な状態だという。宙は、動揺を隠し、総合訓練が行われる演習場へと向かった。
西は、初日の戦闘訓練で足を痛めていた。それに気づいた馬場は、訓練後、西の手当てをする。「リタイアはしない」「父や兄たちのような強い男になりたい」と言って病院に行くことを拒む西の強い思いを知った馬場は、「一緒にゴールしよう！」とサポートを約束する。
宙は、ジムで公平からの新たな留守電を聞いていた。
そこにやってきた八女は、「ジムでのスマホ使用は禁止だ」と言って没収しようとする。そこで宙は、母が事故に遭ったことを打ち明けた。
八女は「緊急事態なのだから総合訓練を抜けてもいい」と告げるが、宙は「このまま続ける」と言う。八女は、バディの馬場にだけは、事情を伝えておくよう宙に命じた。
「一つくらいちゃんとやり遂げたい」という宙の覚悟を知った馬場は、「絶対にみんなでクリアしよう！」と約束した。
2日目は、降り出した激しい雨の中での訓練となった。泥水の中で歯を食いしばって訓練に挑む宙たち。
そこに八女がやってきて、訓練を中止するよう宙に命じた。病院から、早苗が危篤状態に陥ったという知らせが入ったという。
「病院へ行け」と言う八女だったが宙は、それを拒否。「コイツらと最後までやり遂げるって決めたんだ、俺は！」。宙の言葉に、疲れ切っていた仲間たちもほふく前進を再開し…。
戦闘訓練後、演習場から駐屯地まで約25キロの道のりを歩く徒歩行動訓練が始まる。
険しい山道をひたすら歩き続ける宙たち。その途中、丸山が足を滑らせで落下し、足と肩を痛めるというアクシデントが起きた。
このまま徒歩行動訓練を続けるのは難しい状況に。自分の不甲斐なさに涙を流す丸山。すると宙は、丸山の荷物を背負った。すでに限界が来ていた西に肩を貸したのは馬場だ。荒井や武藤は、馬場と西の荷物を持った。
「8人そろって、俺たち全員で、俺たちの駐屯地に帰るぞ！」。宙の言葉を合図に、第一班の面々は再び歩き始める。
宙たちは、ボロボロになりながらも北東京駐屯地にたどり着き、全員そろってゴール。宙は、八女からの指示を受け、泥まみれの戦闘服のまま病院へと向かった。
病院に到着した宙は、早苗が危険な状況から脱したことを知る。安堵し、涙が溢れる宙。やがて、早苗が目を覚ました。
宙の姿に気づいた早苗に、宙は自衛官を目指して訓練を受けていることを伝える。早苗は宙の手を握ると、「ごめんね、1人にして」と謝るが、宙は「1人じゃないよ。仲間がたくさんいる」、と笑顔を見せて…。
隊舎に戻った宙は、冬美をジムに呼び出す。卒業したら会えなくなってしまう冬美から、連絡先を教えてもらおうとしたのだ。
冬美は「ジムでのスマホ使用は禁止だ」と言って宙のスマホを没収。あとで取りにくるよう指示し、この先業務で困ったことがあればいつでも相談するよう伝える冬美。
宙は、そんな冬美を真剣な表情で見つめ、何かを言おうとした。だがそこに、八女が現れて…。
別の日、自衛官候補生課程の修了式が行われる。順番に壇上に上がり、修了証書を受け取る宙たち。
修了式後、八女は、自候生一人ひとりに声をかける。「お前はどこへ出しても恥ずかしくない、自慢の教え子だ」。八女は、宙にそう告げた。自候生たちは、八女に向かって敬礼し…。
3ヵ月後、後期教育も終え、晴れて自衛官になった宙は、馬場と同じ南関東駐屯地に配属される。
そんな2人の前に、冬美が現れた。1尉に昇進した冬美は、普通科隊員として宙たちと同じ駐屯地に異動になったのだ。
「今日からはあなたたちの上司よ。訓練生に対しては少々甘い態度を取ったこともあったけど部下に対してはそうはいかないから」。冬美は、宙たちに忠告し…。
