『テッパチ！』第1話完全版
国生宙（町田啓太）は高校時代、ラグビー部のエースとして活躍。しかし、独りよがりで強引なプレーがもとでケガをしてしまう。チームメートから非難された宙は、孤立したまま引退する。
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卒業後、母・早苗（山口香緖里）が妊娠し、再婚することになったため、ひとり暮らしを始めるが、定職には就かずにその日暮らしの生活を送っていた。
ある日、街中でのケンカが原因で警察沙汰になった宙は、工事現場の仕事をクビになった挙句、住んでいたアパートも家賃滞納で立ち退きを言い渡される。
そんな宙に「お前にピッタリな仕事を紹介してやる！寮完備で三食飯つき！体力自慢のお前にはもってこい！」と声をかけてきたのが、陸上自衛隊の3等陸佐で、東部方面北東京駐屯地で教育中隊長をしている八女純一（北村一輝）だった。
最初は八女の話を拒否したものの、仕事も決まらず、生活もままならない状況の宙は、「訓練生でも給料が出るなら、とりあえず受けてやるか」という中途半端な気持ちで自衛官候補生の採用試験を受け、陸上自衛隊の候補生になった。
入隊の日、宙は、出迎えてくれた八女に、「半年間訓練を受けてみることにしたが、合わなかったらすぐ辞めてやる」と悪態をつく。そのとき、防衛大学校を卒業したエリート自衛官で、宙たちを指導する教官の1人、桜間冬美2尉（白石麻衣）が、宙たちの目の前を通った。宙は思わず見とれてしまい…。
同じ第一班として、宙と寮の同室になったのは7人。
自衛隊の音楽隊に憧れており、宙とは採用試験のときに出会っていた馬場良成（佐野勇斗）、ガンマニアの丸山栄一（時任勇気）、ある暗い過去を持つ武藤一哉（一ノ瀬颯）、かつて芸人を目指していたという渡辺淳史（坂口涼太郎）、小説家志望の小倉靖男（池田永吉）、父と2人の兄も自衛官という最年少の西健太（藤岡真威人）。
そしてもう1人、宙が警察沙汰になった際のケンカ相手だった元ヤンキーの荒井竜次（佐藤寛太）もいた。宙と荒井は、顔を合わせた途端につかみ合いのケンカを始めてしまい、八女に止められる。
数日後、自衛官候補生課程入隊式が行われる。候補生を代表して、馬場が宣誓を読み上げた。
さっそく、教室での座学やグラウンドでの訓練に臨むことになった宙たち。
そんな折、八女は、銃貸与式を執り行う。本物の89式自動小銃を手渡され、興奮する自候生たち。だが、いざ訓練が始まると、他の班に比べてまとまりのない第一班は何かと問題を起こし、八女たち教官から腕立て伏せや罰走を命じられてしまう。
ある日、宙たちは、自衛隊車両に乗り込んで演習場を訪れ、普通科と機甲科の合同演習を見学する。が、そこでも自分勝手に振る舞う荒井の姿に、宙は苛立が隠せない。
入隊から2週間後、八女は、それぞれの適性を考慮したうえで、自候生たちにバディを組ませる。宙が組むことになった相手は馬場だった。
八女は、自候生たちにそれぞれの名前が刻印された認識票を配る。それは、自分のバディが任務中に命を落とした際、遺体を識別できるよう1枚を残し、もう1枚を報告用に持ち帰る、というものだった。
その夜、宙は、入隊前に荒井とケンカして警察沙汰になったことを馬場たちに打ち明ける。すると小倉が、荒井はゼネコン最大手「荒井建設」の子息ではないかと言いだす。すかさず渡辺がスマートフォンで検索すると、とあるSNSに「荒井建設のバカ息子」との書き込みがあり、荒井の写真が貼られていた。
隊舎のジムでトレーニングをしていた渡辺は、やってきた荒井に彼の実家の話を切り出し、一度遊びに行きたいなどと絡んだ。すると突然、渡辺の喉を掴んで凄む荒井。
宙は、そんな荒井を制し、「ボンボンでヤンキーって、クソダサいわ」と言い放った。その言葉がきっかけとなり、宙と荒井は、殴り合いのケンカを始めてしまう。
通りがかった冬美は、宙と荒井の間に割って入り、ケンカを止めようとした。が、突き飛ばされた冬美が倒れそうになるのを見た宙は、とっさに冬美を抱きかかえ、身を挺して守る。その際、トレーニング器具に背中を打ち付けてしまった宙は、医務室で治療を受けた。
そこで冬美は、「助けてもらわなくても自力で止められた」と宙に告げると、「輪を乱す人間が1人でもいれば命取りになる。だから、そんな人間はここには必要ない」と厳しく忠告する。
冬美の言葉が胸に刺さり、自分勝手な行動ばかりしていたことを思い出してムシャクシャしていた宙は、ケガを心配してやってきた馬場に、「辞めてやる、こんなとこ」と告げる。馬場は、必死になって説得するが、その思いは宙に届かなかった。
翌朝、宙は、荷物をまとめて出て行こうとする。それに気づいた八女は、「今度は誰のせいだ？人のせいにするの、好きだよな」と宙を挑発。続けて八女は、入隊式のときの宣誓の言葉を復唱すると、「こんな俺たちでも国民の平和を委ねられた責任を背負ってるんだ。ここは俺やお前みたいなヤツでも見限ったりしない。逃げ出さなければな」と宙に告げ…。
