『やんごとなき一族』最終話完全版

深山佐都(土屋太鳳)は娘の凛を連れて深山家から出ていく。夫の健太(松下洸平)が、佐都と出会ってからの記憶を失くしてしまい、別人のようになってしまったからだ。

<ドラマ『やんごとなき一族』これまでのあらすじ完全版>

これで自分の思惑通りになったとほくそ笑む父・圭一(石橋凌)。しかし、女性を見下す彼の態度に、とうとう母・久美(木村多江)の堪忍袋の緒が切れ、家庭内別居をすることにした。

一方、万野誠(石黒賢)と手を組んだ兄・明人(尾上松也)は、健太が記憶を失ってもなお、圭一が自分ではなく彼を跡取りにしようとしていることを知り、深山家そのものを潰してしまおうとしていた。

佐都が実家の「まんぷく屋」で母・良恵(石野真子)を手伝っていると、久美が訪ねてくる。「今までつらい思いをさせた」と謝る久美に、気丈に振る舞う佐都。

久美と入れ替わるように義姉・美保子(松本若菜)もやってきて、圭一に罵られた時に気持ちを抑えられなくなった自分を止めてくれたことに感謝する。そして、美保子は深山家の存続に関わる重大な問題を佐都に伝えた。

健太は出ていった佐都が気になり、久美たちに自分たち夫婦のことを聞いて回る。

誰も佐都を悪く言う者はなく、彼女と出会い、自分が変わったことを知った健太は「まんぷく屋」へ。応対した良恵に、自分がどんな人間だったか佐都から聞きたいと頼む。すると、良恵は娘の凛を抱いて物陰に隠れていた佐都を呼んだ。

もつ煮をふるまわれた健太は「懐かしくて温かい味」と言い、圭一の言葉を鵜呑みにしてしまったことを佐都に謝罪。それでも記憶を呼び戻せないと苦悩する健太に、佐都は「会いに来てくれただけでもうれしい」と話した。

すると、健太は「もう一度、凛と3人で暮らすチャンスがほしい」と佐都に頼む。今は自分が知っている健太だと言う佐都は、申し出を受け入れた。

佐都と健太は、もう一度一緒に住むことを圭一に報告する。だが、圭一が許すはずもない。「兄貴が望むなら、後継候補からも降りる」と言う健太。

その言葉に居合わせた明人がハッとした時、社員の小暮(西村直人)が飛び込んできた。子会社の社員である神宮寺(近藤雄介)が投資に失敗して、巨額な損失を出したという。

来週までに損失を補填できなければ、深山グループは経営破綻してしまう額だった…。

佐都は美保子が「まんぷく屋」に来たとき、明人と万野が深山家を潰そうとしていると聞いたことを健太に話す。

一方、圭一の元には、深山家の窮地につけ込もうとする万野がやってくる。そして「湾岸エリアの土地を買う」と持ち掛けるが、圭一は断った。

健太は明人に、姿を消した神宮寺について聞きに行く。すると、明人は「今回の騒動は、自分がやった」と告白。「お前が跡継ぎにしゃしゃり出てきたからだ」と話す明人は、長男として生まれた自分をも呪っていた。

健太は明人の苦悩も知っていて、「大好きで優しい兄だった」と話す。そして、改めて明人が跡継ぎになりたいのなら自分は身を引くと続けた。

だが、最後に健太は条件を出す。それは「当主になったら、自身が抱えている悩みを次の代には引き継がせない」ということだった。

健太と別れた後、美保子と会った明人は「跡継ぎにはなりたくないとわかった」と話す。そして、離婚を切り出そうとするが、美保子はそれを遮った。「自分は深山明人の妻だ」と言い切り、自分には明人が必要だと…。

佐都と健太、美保子が集まり深山グリープの損失について作戦会議を行う。

明人とよりを戻した美保子は、「損失が出たというのは嘘で、万野が神宮寺に命令して金を海外口座に移しただけ」と報告。しかし、明人は口座のありかを万野から知らされていなかった。

そこに、リツコ(松本妃代)が現れた。リツコは佐都に協力するため、父である万野が神宮寺の潜伏先に使いそうなホテルのリストを示す。海外のホテルばかりのため、佐都はマダムキリコ(長谷川京子)に電話して協力を仰いだ。

そうして佐都たちは、神宮寺を探し出して圭一に報告。だが、明人の寝返りに気づいた万野は、いち早く口座を移してしまっていた。落胆する佐都たちに、圭一は「手は打ってある」と余裕をみせる。

来週、深山家に来るドバイの富豪に巨額の投資を求めていたのだ。圭一は深山を救うためと、久美に富豪の接待を命令。久美は仕方なくうなずくが…。

ドバイの大富豪、サイード(竹財輝之助)が来た。しかし、久美は現れず、佐都がもてなすと言う。

サイードは、深山グループの経営リスクを尋ねるが、圭一が現在の危機を口にすることなく融資が決まった。佐都が完ぺきな接待をこなして、いよいよ圭一とサイードが契約書を交わすことに。

すると、健太がサイードに「深山グループには損失がある」と話しだした。健太は、ビジネスで会社の状況を話さないのはフェアではないと、話を止めようとする圭一を振り切る。

そこに、キリコや久美、美保子たちが現れた。口々に圭一の男尊女卑を責める女性たち。佐都は、「家を守りたいのはお父さんと同じ。でも、そのために何かを犠牲にするのはたくさんだ」と言い放った。

争いを見ていたサイードが口を開く。なんと、「投資契約を結ぶ」と言うのだ。だが、サイードは条件を出す。健太が深山の代表になるのなら…と。

こうして、深山家を救うため、圭一は当主の座を辞すことに。そんな圭一に前女主人である祖母・八寿子(倍賞美津子)は、「佐都の言う通り、自分たちも変わる時が来た」と告げた。

数ヵ月後、万野は逮捕された。

そして、家を出てホームレスに身を落としていた圭一を久美が見つける。久美は圭一を支えることが自分の仕事だと告げ、先代当主として尊敬できる人であってほしいと話す。

圭一は、「まんぷく屋」へ佐都を訪ねて、今までのことを詫び、健太とともに深山を頼むと頭を下げた。

後日、佐都と健太の結婚式が行われることに。深山家の面々は、それぞれに和気あいあいと過ごすことができるようになっていた。

婚礼衣装に着替えた佐都を見た健太は、思わず「佐都」と呼び捨てにする。記憶を失ってからの健太は「佐都さん」とよそよそしい呼び方だったが、その瞬間、健太は全ての記憶を取り戻していた。

佐都と健太、凛たちの物語はハッピーエンド。しかし、それぞれの人生が続く限り、物語はまだまだ続いていく。

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