「ネイチャーコンク」は、ナリス化粧品がドラッグストアやスーパーなどの一般流通向けに2013年7月から発売しているふきとり化粧水を核としたスキンケアブランドです。当社は1937年に初めてふきとり化粧水「コンク」を発売して以降、多くのふきとり化粧水を販売してきましたが、「ネイチャーコンク」はその中でも最も後発のブランドでありながら、2025年8月現在、累計販売個数950万個を突破しています。ブランドマネージャーであるナリス化粧品 リテール事業部 営業部 プロモーション課の萬雲沙綾に「ネイチャーコンク」が売れる理由を聞きました。



早速ですが、「ネイチャーコンク」の発売のきっかけを教えてください。


萬雲)ナリス化粧品は多くのふきとり化粧水を発売しており、初代のふきとり化粧水の発売は1937年に遡ります。現在では10種類以上のふきとり化粧水を販売しており、ふきとり化粧水の国内企業別販売シェアは10年連続№1(期間:2015年4月~2025年3月 調査会社:TPCマーケティングリサーチ株式会社 調査実施 2025年4月)ですが「ネイチャーコンク」のデビューは2013年。当社においては、リニューアルを重ねて40年50年と継続してふきとり化粧水を販売しているブランドも存在する中で、最も若いブランドです。一般的な化粧水1本でできるスキンケアとは異なるため、対面販売の流通で使用方法を含めて丁寧なカウンセリングをしながら販売してきた経緯があり、ドラッグストア流通での販売は難しいと考えていたのがデビューが2013年になった理由です。当社ではふきとり化粧水の効果に自信を持っていましたので、WEBや動画を使用した販促手法の広がりが一般的になったことなどから可能性を感じて発売に踏み切りました。


たくさんあるふきとり化粧水のなかで「ネイチャーコンク」のこだわりを教えてください。



萬雲)いちばんのこだわりはブランド名に表れています。当社が1937年に初めてふきとり化粧水を発売した時の名称が「ナリス コンク」。「コンク」とは「Concentrate(濃縮した)」から作った造語です。当社の社名「ナリス化粧品」の「ナリス」は「Nourishment(ナリッシュメント/栄養を与える)から作ったものですが、研究者で英語も堪能だった創業者が「肌に栄養を与えるために良い成分を濃縮した化粧水」という思いが込められています。当社のふきとり化粧水は単品名として今も「コンク」を名乗っているものがほとんどですが、ブランド名に「コンク」が付くのは「ネイチャーコンク」のみです。植物研究を得意とする当社が、ハトムギや月見草など植物のチカラできれいになれるふきとり化粧水を作りたいと考えたブランド名です。また「ネイチャーコンク」以外のブランドは、ふきとり化粧水以外にも乳液やクリーム、洗顔料などたくさんのラインナップがありますが、「ネイチャーコンク」はデビュー当時はふきとり化粧水1品でまさに1品で勝負したと言えます。





発売直後は、そこまで売り上げが芳しくなかったと聞きます。


萬雲)ふきとり化粧水というカテゴリー自体が、ドラッグストア流通ではあまり認知されていませんでした。ドラッグストアは、カテゴリーごとに商品が並べられますが、「化粧水」コーナーや「洗顔料」のコーナーはありますが、「ふきとり化粧水」のコーナーは現在でもないお店が多いです。初年度と2年目は苦戦しましたが、ふきとり化粧水の効果を信じていましたので粘り強く「ネイチャーコンク」を伝えることに注力した結果3年目に大きく伸長することに成功し、その後2016年以降は10年間にわたってずっと売り上げを伸ばしている状況です。近年では「薬用クリアローション」のみで年間の出荷数は100万個を突破するまで浸透してきました。




その理由は何でしょうか?


萬雲)ターニングポイントは2018年。それまでの「薬用クリアローション(うるおうタイプ)」に加えて、「薬用クリアローション(とてもしっとりタイプ)」を追加投入しました。ふきとり化粧水は余分な皮脂や老化角質を取り除くスキンケアであり、使用感のすっきり感から比較的夏場に使用する人が多いのですが、冬場の乾燥が気になる人には一年中使用してもらえないことがありました。追加品を発売したことで、乾燥が気になる人が季節によって使い分けをして年間を通して継続して使用してくださったり、高齢層の使用者が増えたりという現象が起きてきました。ドラッグストア流通ではあまりなじみのなかったふきとり化粧水ですが、「赤いふきとり」とも呼ばれるようになり、店頭での存在感も増してきました。





販促で注力していることは何でしょうか?


萬雲)「ネイチャーコンク」を使用する目的は単にふきとることだけではないということを軸にいろいろな方法でアプローチしています。一般に販売されているふきとり化粧水の中には、汚れや皮脂をふきとるものといった「ふきとること」を目的としたアイテムが多く存在し、若年層が使うもの、あるいは春夏の季節に使うものといった印象を持っている方が多いようです。当社の「ふきとり化粧水」は、「ふきとり」という名前がついてはいるものの、「ふきとる」ことが目的でなく、角質ケアによって乾燥対策もでき、「肌の調子をよくする」製品だということを伝えることに注力しています。2016年以降は美白機能を追加し医薬部外品としてリニューアルしたことにより、「薬用美白」や「肌荒れ防止」の効果を明確に打ち出せるようになりましたので、よりスキンケア効果がイメージでき、他社品とも差別化できていると考えています。アルコールフリーをしっかり打ち出したことにより、肌質を問わず多くのお客様がご使用くださることに繋がったと考えています。



2025年のリニューアルでは、敏感肌にも使えることを打ち出していますね


萬雲)はい。調査をしてみると肌が敏感な方は一年中いつも敏感なわけではなく、肌が敏感になったり普通になったりと不安定な人が多いということもわかりました。また、敏感肌の人は肌をこすることが良くないと思いながら、角質ケアをしたいと思っている人が多いことや、敏感肌の方が使うことで肌が安定する、敏感になりづらいという声が多かったのです。当社の研究開発者に確認すると当社では人の肌は不安定だという前提で商品開発をしている、肌が敏感な人であっても使える商品を目指しているということがわかったので、敏感肌の人を対象にした使用テストを行った結果問題が生じなかったのです。それを受けて今年2月10日に中身はそのままにパッケージをリニューアルしました。


敏感肌の人でも使えることを打ち出したリニューアル結果はどうですか?


萬雲)「ネイチャーコンク」が敏感肌の人が使えるふきとり化粧水であることは、当社にとってはとても誇りに思えることでしたが、同時に打ち出し方については大いに悩みました。一般的な認識として敏感肌用の化粧品はあまり効果がないと思っておられる人も多いからです。既存のお客様が離れてしまわないかということも危惧されましたので、パッケージで容器形状を変えて薬効感を出し、アテンションシールには「敏感肌にも使える」と小さく表記しました。小さな変化でしたが当社にとっては大きな挑戦でした。リニューアル後約半年たちますが、大きな問題はなく順調に推移しており8月には950万個を突破し、1000万個も目前となりました。



今後、「ネイチャーコンク」をどのようなブランドにしていきたいですか?


萬雲)私は約1年前に転職して当社に入社しましたが、「ネイチャーコンク」は、すでに在籍している社員にとってはごく普通のことでも私にとっては驚きであることが本当に多いです。多機能でとてもポテンシャルのある商品だと思いますので、それをより伝えていきたいと思っています。例えば、朝の洗顔代わりになる機能。余分な皮脂や老化角質を取り除く機能は洗顔の代わりにもなります。洗顔では余分な皮脂は取れますが、老化角質は取れないので、洗顔以上のことができると言っても過言ではありません。加えて保湿機能もあるので洗顔で感じる乾燥感もないのです。お客様の声を聞くと、単に洗面所に行くのが面倒だとずぼらで洗顔代わりにしているという声もありますが、美容意識の高い人が保湿のために使用しているということがわかったり、産後や育児中に洗面所に行く時間もないママが、ベッドの上でできる洗顔として使用されていることもあります。怪我などの入院中にベッドから動けないときに「ネイチャーコンク」で洗顔とスキンケアができ、とてもすっきりできたという声もありました。当社は東日本大震災などの被災地支援として水道のない場面での洗顔の代わりとして「ネイチャーコンク」を提供しています。地震や水害などが多い昨今ですので、普段使用しているものが災害時にも役立つという点でも魅力を感じています。





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