6月19日、ミュージカル『魔女の宅急便』のゲネプロと初日会見が行われ、山戸穂乃葉さん、黒田光輝(少年忍者)さんらが登壇して意気込みを語りました。
本作は、原作40周年となる記念すべき2025年に5度目の上演を迎えるとともに、東京公演に先駆けカンパニー初となる海外公演が実現。「マカオ芸術祭」では、全4公演を上演、チケットは全公演ソールドアウトとなり大盛況で幕を閉じました。
熱気が冷めやらない勢いのまま迎えた東京公演初日前の会見には、山戸さんと黒田さん、そして、生田智子さん、白羽ゆりさん、神田恭兵さん、藤原一裕(ライセンス)さんが役柄の衣裳で登場。
山戸穂乃葉「裏のお芝居もするようになりました」
主演のキキ役は2024年公演に引き続き山戸さん、キキの相手役となるトンボ役には新キャストとして黒田さんが出演します。
キキの母であるコキリ役には生田さん、キキが居候するコリコの街のパン店のおかみさんおソノ役は白羽さん、おソノの夫・フクオ役には、ライセンス・藤原さんが前作に引き続き出演。そしてキキの父・オキノ役は神田さんが初出演で務めます。

山戸さんは、2年連続となるキキ役に向けて、「新鮮な気持ちを忘れずにしないといけないと思っています。自分の中で決まってしまった言い方をやめて、初めを思い出してもう1度チャレンジするような気持ちで」と意気込みを語りました。
「前回より成長したところ」を聞かれると、舞台裏や袖の客席からは見えない場所でも、「パン屋さんのシーンだったらお店屋さんごっこをしたり、飛んできた後に舞台に出る場面では、(黒猫の)ジジと一緒にほうきに乗ってから出たり、“裏のお芝居”もするようになりました」とはにかみます。

“5代目”となるトンボ役の黒田さんは、歴代のトンボを務めた事務所の先輩について、「トンボのご先祖様たち」と口走り、すかさず藤原さんから「死んでないの」とツッコまれて笑いを誘う場面も。
「トンボ先輩たちの思いを受け継いで、5代目の僕なりのトンボを発揮できたら」と語る黒田さんは、“トンボ先輩”たちからアドバイスがあったかと聞かれると、「ACEesの那須(雄登)とか、深田(竜生)とかは、『トンボやるんだ、がんばってね』と言ってくれました。いつ見られても恥のないようなトンボを演じたいです」と目を輝かせました。

さらに、那須さんと深田さんはそれぞれ演出家から「お前が歴代最高のトンボだ」と言われていたというエピソードを明かし、マカオ公演を終えた黒田さんには「黒ちゃん一生やっていけるよ」と言われたというエピソードを披露。
笑いに包まれるキャスト陣と取材陣に向かい、黒田さんは「毎年パワーアップして昨年を引き継いで、みんなが歴代1位になるようにしたい」と力強くコメントしますが、「手のひらで転がされてるのかな?」と、お茶目にオチをつけました。
山戸さんと黒田さんのフレッシュなやり取りをにこやかに見守っていた生田さんが、「毎回、みんなが新鮮なんです」と、カンパニーとしての成長を語ると、初参加で初の父親役を演じる神田さんは、「家族のような築き上げたものがあるカンパニーで、僕も育ててもらっている。もっと舞台上でその瞬間を味わっていきたい」とコメント。

初演から8年間に渡り、藤原さんと夫婦役を演じている白羽さんは、「毎回新鮮に向き合っているので慣れることがないです。このまま千秋楽まで楽しんでいけたら」とほほ笑みました。
対する藤原さんは、「熟年夫婦です」とあいさつし、咳払い1回だけで一言もしゃべらない役だと説明しつつ、「国立劇場に8年間、咳払いだけでやってる。ここまできたらしゃべらないでやっていきたい」ときっぱり。
さらに、藤原さんは黒田さんのトンボについて、「黒田くんは肝の座り方がすごい。堂々としてるし初日なのに緊張してない。すごい大物なんじゃないかな」と褒めますが、「稽古中には小さな虫が肩に止まっただけなのにギャー!となる。どっちが本当の黒田くんなのか」と笑いました。

また、大盛況だったマカオ公演の反応について、山戸さんは初海外だったそうで「みんなで観光に行きました。カラフルで踊りたくなっちゃうような街でした」とうれしそうな表情に。
黒田さんは、「どんなリアクションがくるのか、ワクワクと不安があったけれど、本番中に声を出して笑ってくれたり、日本のツボとは違うところで笑いが起きたり。日本とはまた違った舞台の受け止め方があって、新たな発見がありました」とコメントし、「海外でスタートをきれて、東京公演もすごく楽しみです」と、これから始まる東京公演に期待感をにじませました。
山戸穂乃葉・キキ&黒田光輝・トンボが熱演!ゲネプロ写真ギャラリー



