これからの季節、無性に食べたくなるのが「焼きいも」だが…フェラーリで売っている話題の焼きいも屋さんがあるのをご存知だろうか?

週末はショッピングモールなどに出店し、多い日で1日200本も売り上げる人気店らしい。ということで、フジテレビ『めざまし8』で、話題の人物や物事を捜査する“三面刑事”こと山下真司が、早速捜査を開始!

ここは、東京都の西部に位置する、人口1万7000人ほどの緑豊かな日の出町。石焼きいもの歌を響かせ現れたのは、田園風景に不似合いな真っ赤なフェラーリだった。後ろには“焼きいも”と書かれた赤ちょうちんがぶら下がっており、サイドカーのようなものが見える。ここにアツアツの焼きいもがスタンバイしているのか?

山下刑事:動くな!三面刑事だ!お前か?この真っ赤なフェラーリで焼きいもを売ってるっていうアンビリーバブルな奴は!

店主:「すーぱーかーやきいも」をやっている原田という者です。

「すーぱーかーやきいも」を経営しているのは、原田輝和さん・53歳。

山下刑事:相当、フェラーリ好きだな?

原田輝和さん:大好きですよ。車も好きだし。2002年ぐらいだから、相当古い車なのですが。

山下刑事:だけどピカピカじゃないか。

原田さん:自分で塗ったんですよ、きれいに。

山下刑事:自分で塗ったの!?

自分で改造したことを聞き驚きを隠せない山下刑事は、あることに気づく。

山下刑事:ここは焼きいも屋さんじゃない?

原田さん:焼きいも屋さんでもあるんですけど、車の修理屋さんでもあるんですよ。

山下刑事:どっちが本職なんだよ?

原田さん:焼きいも屋です。

原田さんは、車の整備や修理をなりわいとしているが、3年ほど前から焼きいも屋さんも始めたのだった。山下刑事は、フェラーリの後部にくっついている、サイドカーのような“台車”に注目。

フェラーリの後部は…“まさかのモノ”を加工

山下刑事:これはフェラーリなの?

原田さん:これは、この車を半分に切ったように見せたかったんです。

山下刑事:じゃあ、偽物じゃないか!

原田さん:偽物って…僕のオリジナルですよ、これ。

山下刑事:しかし、よく出来てる!

フェラーリがけん引する台車は、水上バイクのトレーラーを原田さんが自ら加工して、2ヵ月かけてフェラーリの後部を再現したものだった。その上にドラム缶で作ったイタリアカラーの焼き窯を乗せ、契約農家から仕入れた糖度の高い紅はるかを焼いている。

原田さん:とにかく食べてみてください。

山下真司も「うまい!」“ねっとり感”出す秘密

山下刑事:うっわ。なにこれ。ねっっっとりしてるよ。初めて食った、こんなの。めちゃくちゃ美味い!ナンバーワン!デリシャス!

食いしん坊の三面刑事もうなる美味しさ。実は、この焼きいもには“ある秘密”があるという。

原田さん:水晶。クオーツです。

山下刑事:クオーツ!?なんでこれ使うの?

原田さん:本当に間違いなく甘くなるんですよ。

山下刑事:甘くなるの?

原田さん:熱伝導率がいいみたいで、すごい甘くて、ねっちょり。そんないもがね、これじゃないとできないんですよ。

高級フェラーリで1本500円の焼きいも…採算とれるの?

そんな原田さんのこだわりがつまった焼きいもの値段は1本500円ほど。そのおいしさの虜になり、会社を休んで埼玉県から来ている人もいた。でも、なぜフェラーリを使用しなければならなかったのか?

原田さん:単純に僕が車が好きで、最高峰のフェラーリをやっとの思いで所有して、持ってたわけですね。それで、うちの家内は焼きいもが好きなんですよ。好きなもの同士が合体して、すーぱーかーやきいもになったんです。

山下刑事:フェラーリで焼きいもを売って、採算とれるの?

原田さん:とれません!

山下刑事:ニコニコして“とれない”って。

採算がとれないにも関わらず、原田さんが「すーぱーかーやきいも」を続ける理由とは?

「笑顔をもらえればそれで最高」 積極的な町おこし活動も

原田さん:笑顔をもらえれば、それで最高ですよ。車離れしてる子どもが多いじゃないですか。こういうのを目を光らせて見に来てくれると、車業界としては嬉しいんですよ。未来を見すえると。

山下刑事:原田。お前、本当にいいやつだな。こんな美味しい焼きいも、作りやがって罪な男だ。

さらに、フェラーリで焼きいもを売る理由は他にも。

原田さん:日の出町で生まれ育った僕としては、町おこしをするためにやってる部分もあるんです。くだらないことを真剣にやる田舎のおじさんだから、そこは崩したくないんですよね。町おこしのためにお手伝いができることがあればやりたいなって。

子供のころからスーパーカーが大好きだった原田さん。

「大人になり、念願叶って手に入れたフェラーリで、今度は子供たちに夢を与え、生まれ育った町を盛り上げたい」

その思いから、ボランティアで保育園や高齢者施設を訪れ、焼きいもを配る活動も行っているという。原田さんの焼きいも屋さんの活動には、“真っ赤”に彩られたフェラーリのような 熱い想いが込められていた。