エンターテインメントの裏側に密着する番組『連続ドキュメンタリー RIDE ON TIME』。Season3の第1弾は、関西ジャニーズ勢が4週に渡り特集されている。

11月6日(金)の放送は、関西出身の7人組グループ、ジャニーズWESTを特集した Episode3「一歩でも、その先へ」。

今年、ジャニーズWESTはデビュー7年目。夏には、自身初となる念願の東京ドーム公演と4年ぶりとなる京セラドーム大阪公演を含む、全国ツアーが予定されていた。しかし、コロナ禍ですべて中止に…。

重岡大毅は「普通に悲しかったですね。(自分は)27歳ですけど、27歳のライブって27歳の時しかできへんし。いろんなことを思うと、やっぱりつらいですよね」と、厳しい表情を見せる。

そんな状況下でも、大阪から全国に元気を届けるため、関ジャニ∞を筆頭とした関西ジャニーズたちが、無観客生配信ライブプロジェクト「Johnny’s DREAM IsLAND 2020→2025 ~大好きなこの街から~」をスタートさせる。

舞台の一つは、コロナ禍で休演が続き、苦境に立つ大阪・松竹座。そこはジャニーズWESTにとって、自分たちを育ててくれた大切な場所。お世話になってきたスタッフへの恩返しの意味もあり、メンバーは気合いが入る。番組は、この松竹座公演に臨むジャニーズWESTの姿をリハーサルから追った。

大人の色気感じるダンスと新しい生活様式の中でのリハーサルに、メンバーは苦戦

普段、ポップな振り付けが多いジャニーズWEST。しかし、今回のライブでは、大人の色気を感じさせる振り付けや演出が多く盛り込まれていた。

ダンスリハーサルでは、中間淳太が「バリむずい」とこぼす。また、今では手放せなくなったマスクが「酸欠になる」と、ダンスをする彼らを苦しませていた。それでも、桐山照史は「一歩ずつ成長しているところを出したい」と気合いをにじませる。

そのダンスリハーサル後、ライブ中に披露する自身が作詞作曲した「間違っちゃいない。」のピアノ演奏を、日付が変わってからも1人練習する重岡の姿があった。この曲は、かつて自分のやりたいことにこだわりすぎて、孤立しそうになった彼に、メンバーがかけた言葉がもとになっている。今回、重岡の演奏に合わせ7人で歌うことになっていたのだ。

本番2週間前、桐山、神山智洋、小瀧望が、ある挑戦をしようとしていた。台の上から後ろ向きに宙返りする、通称“台宙”だ。1年ぶりながら台宙経験のある桐山は、1.5メートルという高さをものともせず1度で成功。初挑戦の神山は、「自分次第で何でもできるんだよっていうパワーが届けばいいな」という熱い思いとともに、数度の練習でコツを掴み成功させる。

そんな中、メンバー内でいちばんの高身長である小瀧は、着地の衝撃を吸収しきれず苦戦していた…。

松竹座で学んだこと、ファンの熱い思いを受けたステージングを

あらゆる工夫が凝らされた今回のライブ。中には、全員が全身鏡に囲まれた状態でエモーショナルに曲を歌い上げる演出も。そのこだわりについて、藤井流星は「(鏡など)あり物を使って、どれだけ工夫して見せるかを昔から松竹座でやっていて」と明かした。

そして、コロナ禍で直接会えなくても観客の思いを受け止めたいと、事前にファンから手作りのうちわを募集。10日間の募集で約1万枚も届いたという、そのうちわで客席を埋め尽くす、彼ららしい温かい演出も取り入れられた。

この演出に、SNSには「あの鏡、Jr.が操作してたんだ…団結力すごい」「最先端の演出を学んでいる流星が、松竹座は“ありもので工夫することを教わった”と言って鏡の演出考えたとか…震える」「うちわが役に立ってよかった」とコメントが。

中には、「うちわで客席埋めるとか、ジャス民(ジャニーズWESTのファンの愛称)も含めてチームなんだって感じがしてうれしかったな」などという、ライブ配信を見たと思われるファンの感激のコメントも見られた。

「不甲斐ない」悔しさをにじませながらも大切なステージへ

本番直前。台宙自体はマスターしていた小瀧だったが、最終リハーサルで足を痛めてしまう。やむを得ず、台宙をカットすることになった小瀧は、「めっちゃ嫌っす」「不甲斐ないです」と、悔しさをにじませた。

その頃、控室では、重岡が1人で「間違っちゃいない。」のピアノ演奏の最終確認を行っていた。重岡は「(ジャニーズJr.当時は)グループは違ったけど、メンバー7人で初めてステージに立ったのも松竹座だし。本当に青春の場所。成長させてもらいました。僕らのホームですね」と、松竹座に育まれた日々を振り返る。

その思いは、他のメンバーも同じ。松竹座はホームだからこそ、小瀧はダンスすることも、歩くことすらままならない状態だが、そのステージに立つことを自ら決断していた。

小瀧のケガを感じさせないステージに、SNSには「そんなケガをしてるなんて知らなかった…プロだね」「本番1時間前のケガ…のんちゃん(小瀧)つらかったと思うけど、意志を受け入れて何事もなかったように接するメンバーにも泣けた」と、驚きと感動の声が多数上がっていた。

さまざまな思いを乗せ、7人が全身全霊で臨んだ松竹座公演は、無事に終演。「カメラさんもありがとう!」「照明さんもありがとうございました!」と、スタッフへ感謝の声をかけるジャニーズWESTの表情は、清々しさに満ち溢れていた。

次回、11月13日(金)の放送では、なにわ男子に密着。コロナ禍によって奪われたパフォーマンスの場。その時、彼らはアイドルにできることを探していた…。