今年5月に、地元・北海道から上京したばかり。前職がホタテ漁師という経歴から、“道東の漁師”とも呼ばれるTikTokerの金津匡哉(かなつ・まさや)。1年でフォロワー53万人を突破した注目の23歳だ。

TikTokでは、ラグビーと漁で鍛えた肉体で、コミカルなダンスやコントのようなやりとり、時には料理動画まで披露し人気を集めている。

一体、素顔はどんな人?本格的な取材は初めてだという金津の魅力を探った。

この日、金津はマネジャーとともに、東京・お台場のフジテレビ本社にやってきた。台場に来たことはあるそうだが、フジテレビに入るのは初めてとのこと。「緊張しますね」と言いつつ、早速、社内の撮影ポイントへ。途中、芸人に遭遇すると、「ああ、あの人!?」とテンションアップする一幕も。

普段、動画を多く撮影しているが、スチール撮影の経験はあまりないそうで、「どんな表情すればいいですか?」ととまどい気味。「リラックスして、いつもの自分らしく」と声をかけると、段々と自然な笑顔があふれるように。

そのうち、お得意のダンスのポーズや、あざとかわいいポーズなども連発。さまざまな表情を見せ、撮影は終了となった。

続くインタビューでは、「(スタッフが)何人くらい来るんですか?」と不安そう。大勢の前で話すのは苦手なのだと打ち明けた。最少人数だと伝えると、安堵したようで、初めてだというロングインタビューも饒舌ぶりを発揮した。

<金津匡哉 インタビュー>

――5月に上京して2ヵ月ですが、東京には慣れましたか?

俺、結構インドアなので、彼女がいたら出かけるんですけど、基本、家にひとりでいるので、まだ慣れないですね。ストレスってほどじゃないですけど、電車のギュウギュウも嫌ですし、とにかく人混みが苦手です。

地元で電車に乗ることなかったので、乗り換えでわからなくなって、マネジャーさんに連絡して助けにきてもらったこともあります。そいうのもあって、正直、東京は人が住むところじゃないな、なんて(笑)。水もおいしくないですし…。

――北海道で漁師をやりながら投稿したTikTokが人気で、上京することになったそうですが、TikTokを始めたきっかけは?

1年半くらい前にYouTubeを見ていたら、広告みたいな感じでTikTokが流れてきて…それが歌の動画で、ちょっと気になっていました。それで、自分もカラオケに行ったときに歌った動画を投稿してみたら、フォロワーもいないのに、(再生回数が)伸びて。そこからいろいろ見たら、ダンス系の動画もあったので、自分も踊ってみると一気にフォロワーが増えたんです。さらに、自分は漁師なので、船の上でも踊ってみたら、それがバズッたって感じです。

――それまで、YouTube投稿などの経験は?

なくはないですけど、そこまでちゃんとやったことはなくて。ただ、昔から、有名になりたいとは思っていたので、TikTokで知ってもらえて、一歩前進したかな、と思っています。

反町隆史さんや木村拓哉さんのような男っぽい人に憧れます

――憧れの人はいましたか?

反町隆史さんが大好きなんです。世代は違いますけど、子供のころから好きで、ドラマ『GTO』とかも見ていました。どこが好きか?やっぱり顔ですね。自分はかわいい系より、“男”って感じの男性に憧れがあるので、木村拓哉さんとか、男っぽい人をカッコいいと思いますね。

――高校ではラグビーで活躍したそうですが、学生時代はどんな子供でしたか?

小学校のころは、ムードメーカーといいますか、クラスのみんなを楽しませるタイプでしたね。中学校は野球をやっていましたけど、高校でも変わらず、みんなから人気があって(笑)。学校を休むと「なんで休んだの?」とか「今日は学校がつまらなかった」とか、連絡が来ました。

みんなを楽しませるのも好きだし、注目されるのも好きだったので、タレントさんのような仕事をしてみたいな、っていうのはありました。でも、高校ではラグビー部でキャプテンを任されて全国大会に行くくらい打ち込んでいたので、特に自分から何かすることはありませんでした。

――高校卒業後、ホタテ漁師になったのは、どういう経緯からですか?

当時、2歳年上の彼女がいたんです。高3で進路を決めようと思ったとき、ラグビーでいろんな大学から声をかけてもらっていたんですけど、それが札幌や東京の大学だったので、ラグビーを選んだら遠距離だし、忙しくなるし、彼女とは会えなくなると思って、すごく悩みました。めちゃくちゃ彼女が好きだったので。

それでも、やっと決心して大学へ行こうと思ったら、受験はすでに終わっていたという…(苦笑)。これはヤバい、何をやろうか、となったときに、親父がホタテ漁師で、空いている船があると聞いたので、「じゃあ、漁師になるか」ということで船に乗ることを決めました。

――そこから最近まで漁師をやっていたんですよね?

そうですね。18歳から最近まで、4年間ですね。でも、ちょうど4年で辞めようと思っていたんです。環境的に厳しいことも多かったので、次の仕事もなんとなく決めていて。そこへ行こうと思っていたときに、今の事務所もそうですけど、いろいろとお話をいただいて、タレント業みたいなこともやってみたいな、と思い、事務所に所属して5月に上京した、という流れです。

――そして現在、TikTokerとして人気を集めていますが、どんなことをコンセプトに投稿していますか?

今は、ダンス系と歌ですね。でも「これ!」というジャンルを決めているわけではなくて、TikTokのライブでは、ひたすら飯食ってます。人が食べているのを見るのが好き、っていう人は結構多いので、まずは飯を食って、そこから雑談をしていく、みたいな感じですね。ファンの方に喜んでもらえることが一番なので、今後はみなさんからの反響をみながら、もっといろいろなジャンルに挑戦していきたいと思っています。

――具体的に考えていることはありますか?

ちょうど、新しいユーザーが増えているので、ストーリー系は考えています。ちょっとドラマみたいなものですかね。TikTokは、15秒、1分、3分で投稿できるので、3分にすると、ショートドラマが作れるんです。これはさっき、マネジャーさんと電車の中で話していたことですけど、昔風の髪型で、短ランなんかを着て、ヤンキー系をやったら面白いんじゃないか、って。

ただ、そうなってくると、撮影機材もスマホでは難しいでしょうし、撮影場所や撮影を手伝ってくれる人…いつもマネジャーさんにお願いしているんですけど、結構、忙しそうなので、そこも大丈夫かな、という心配もありますね。

やさしすぎるから?「霊が勘違いしてついて来ちゃう」

――タレント業のほうはどうですか?

まだやったことはないですが、ファッション系のモデルをやってみたい、というのもあります。去年、声をかけてもらった別のファッション系に強い事務所から、「ビジュアルがいい」と言ってもらったので、ちょっとその気になっているというか、可能性あるのかな、と思い始めています(笑)。

ただ、レッスンを受けたこともないので、ポージングもぎこちないでしょうし、どうしたらいいのかな、と。

タレントとしては、自分としては結構いろんなジャンルに対応できる気がしていて…ラグビーを広める活動もしたいですし、大食いもいけますし、心霊体験が結構あるので、そういった番組のロケにも行きたいですし、あと、漢字が…めちゃくちゃ苦手で、読めないし、書けないんです。だから、おバカキャラで使っていただいてもいいのかな、って(笑)。

――心霊体験といえば、今住んでいる東京の家にも除霊のお札を貼っている映像がTikTokでも紹介されていましたね。

この間、インスタで自宅からライブ配信をしていたときに、壁からコンコンっていう音が聞こえてきて、ファンのみなさんも「え、何この音?」って感じになりました。お隣さんの音じゃなくて…うちは角部屋で壁の向こうは外だから。まあ、昔からそういうことは何度もあって、除霊もしてもらっています。そのときに言われたのは、俺がいろんな人にやさしいから、霊が勘違いしてついて来ちゃうんだって。「ああ…」って。俺、本当にやさしいんですよ(笑)。

――今後の活動を楽しみにしています。では、最後にファンのみなさんにメッセージをお願いします。

ファンのみなさんには本当に感謝しています。実は上京するまで、そこまでファンの方のありがたみを実感していなかったんですけど、上京するとなったときに、たくさんの方が長文で熱いメッセージを送ってくれたんです。それを見て、本当に頑張ろうと思いましたし、ファンのみなさんを大切にしたいな、と思いました。

今後、有名になって、テレビにも出て恩返しができたらいいな、と思っています。北海道にいる家族、知り合い、漁師のみなさんも応援してくれているので、頑張っていきたいです。「待ってろ!」って感じです(笑)。

<メイキング動画>