11月12日(金)、舞台「本日も休診」が開幕。本作に出演している柄本明、花總まり、渡辺大輔、中島早貴、佐藤B作、松金よね子、ベンガル、笹野高史、演出を務めるラサール石井が上演後に行った質疑応答と、舞台写真が届いた。
「本日も休診」は、実在した医師・見川鯛山をモデルにした物語。昭和の高度経済成長期、那須高原のてっぺんにある小さな診療所を舞台に、型やぶりの医者と個性豊かな村人たちが織りなす心温まる人間模様をユーモラスに描いた作品。
――初日公演を終えた感想は?
柄本:ほっとしています。お客さんが最後スタンディングオベーションしてくださったりして非常にありがたい 。でも、とにかくほっとしています。
花總:お客様の笑い声を沢山聞くことができたのでうれしかったですし、無事に開幕できて本当にほっとしておりま
す。
佐藤:本当に良い初日で、こんなに お客様 からの反応があって、あんなに盛り上がった初日はもう何年ぶりかの 体験でした。花總まりさん以外は、下北沢の小さな劇場がぴったりの出演者ばっかりなのに、この公演が当たるというのはラサールくんの演出は素晴らしいですね。
――柄本さん、笹野さん、佐藤さんは、3人で舞台に立たれることを楽しみにしていたと思いますが、実
際に立ってみていかがでしたか?
柄本:50年来というか、二十歳そこそこの青春真っただ中のなかでアングラ演劇で出会って、それがこんなね!
明治座ですよ!もちろん稽古で大変なことはありましたが、やっぱり楽しいですね。やっぱりね、
顔が近づくとシワが多いんですよ、すごいシワなんですよ。まあ、そういうくだらないこと言ったりしているときも、なんかね、感無量ですね。
笹野:楽しくて楽しくてしょうがないんですよ。アングラのレジェンドみたいなものでしょ、私たちは。でも稽古を見てると50年前の芸風と全然変わらない、元気だな~みんなと思って。50年くらいではすごい重厚に変わっていったりしないんだなと。俳優としてはいろいろなものを各々積み重ねているでしょうけど。
何しろラサールさんの演出が難解で、理解するのに時間がかかりましたね。73歳になるとちょっとついていくのが大変でしたけれど、やっと今日「あ!そうだったのか!」ということがいろいろありました。こんなに楽しい舞台は初めてです。
佐藤:何十年ぶりだけど、3人とも芝居の作り方が昔と変わらないなという感じで。コツコツ真面目に作って
いくのが私で、えもっちゃんはゆっくりゆっくり、大きく役柄を作っていくんだよね。笹野は相変わらずいい加減 で、やっつけの稽古ばっかりやって本当に変わらない。でもそれがなんか面白くなっていくから、こいつはやっつけでいけるんだな~って。
――花總さんは、こういった先輩方とご一緒してご苦労はありましたか?
花總:B作さんの話を聞いて昔からこうだったんだというか。稽古場は大変なこともありましたが 楽しかったです。舞台に行ってしまうと、自分の場面以外は着替えとかで見ることができなくなってしまうので、稽古場は貴重な時間
でしたし、幕を開けてからは日々みなさん変化されていくと思うので、千秋楽までこの時間を満喫したいなと思っ
ています。
笹野:勉強になりましたよね?
花總:勉強になりました!引き出しが沢山できました!
「楽屋でのスピードを見せたい!」柄本明が“早替え”に奮闘
――ラサールさん、笹野さんから脚本が難解だといわれていましたが?
ラサール:「ここでこうすると、こうウケるんだろう」という設計図は、書いているときや演出しているときにしか分からなくてなかなか説明しづらいですが、お客様が入ってからウケれば私が思った通りだし、ダメだったらまた違った方法で修正しないといけないということはいつもやっていることではあります。今日はほぼ思ったようになったので、良かったなと胸を撫で下ろしています。
冒頭真っ暗な中を、こういう場合はだいたい出演者が音楽とともに花道から出てきたりして「おお~!」ってなるものなんですけど、最初っからいっぺんに全部出演者を出して贅沢さを味わっていただきたいという試みをしたこと、柄本さんには走っていただいてまだまだ若いぞという姿、僕が観ていたあの頃の姿をやっていただきたいと思って。
柄本:早替えがあるので、もうすごいですよ、スピード。楽屋でのスピードを見せたい!楽屋の長い廊下をパーッ
と、「あ、俺走れるんだ」と思って。
――最後に、柄本さんからメッセージをお願いします。
柄本:明治座で「東京乾電池公演」というやつをやらせていただいたことはありますが、1日だけの公演だったので今回がほとんど初めてみたいなものでして、やっぱり華舞台ですね。 大変緊張もしていますし、こういう仲間と一緒にできて充実もしています。
なんて言いますか、商業 舞台でこのような編成はあまりないと思います。ラサールさんの演出で稽古場はとても苦労致しました。ですけども、自分たちがこうやって楽しんで出来る舞台になったと思っております。どうか皆々様のご来場をお待ち申し上げております。
最新情報は「本日も休診」公式サイトまで。