石橋貴明が文化人、ミュージシャン、タレント、アスリートなどジャンルを問わず“話してみたい”ゲストを迎え、焚き火の前でじっくり語り合うフジテレビ『石橋、薪を焚べる』。
6月2日(火)の放送は、ゲストに発酵学者の小泉武夫氏が登場し、自身の発酵との出合い、発酵と日本人の関係や、発酵食品の健康効果などについて語った。
まずは焚き火の横に据えられたものが気になった石橋。
石橋:これ何なんですか?
小泉:これね、あだ名なの。「味覚人飛行物体」。自分で付けたの。「発酵仮面」。月光仮面じゃなく。これね、両方とも商標登録したの。誰も真似できません。あっはっはっは。
石橋:(笑)。先生、本当に大学教授なの?
小泉:(ニッコリして、おおきくうなずく)
発酵食品の特徴の一つは健康を維持できること
石橋は、発酵学が専門の小泉氏に「今、一番気になること」を聞いていく。
石橋:こういうコロナの騒ぎで大変な時代ですけど、やっぱり、人間、免疫が必要ですか?
小泉:全くその通り。
石橋:免疫力が高くないと。
小泉:発酵食品の特徴の一つは、健康を維持できること。特に発酵食品がどうして免疫を高められるかというと、人間の体は命が一つですよね。ところが、納豆一粒にだいたい二千万個の命があるんです。体の中に菌が入ると、腸を通過するときに免疫細胞を増やすんです。「腸の免疫細胞を増やしなさい」というスイッチを、発酵微生物が押して、それで通過していくの。
石橋:やっぱり腸が大事なんですか?
小泉:腸が大事なんですね。日本人は、世界で一番発酵食品を食べているんですよ。例えば、味噌汁。
石橋:味噌。
小泉:毎日食べてますよね。
石橋:醤油。
小泉:それから納豆、漬物もそう。いっぱい食べているんです。今、日本人で免疫の獲得が弱い人はコロナにかかりやすくなってくるわけだから、免疫細胞を増やさなきゃならない。そのためには、食生活が大事。
私が思っているのは、和食は「免疫食事学」だと言っているんだけど。例えば今、岩手県は一人も(コロナ感染者が)出ていない。それはなぜかとみんな思っているけど、岩手県はですね、全国の県民一人当たりの納豆の消費量が断トツに高いんです。
石橋:岩手が?じゃあ納豆が一番、コロナ(予防)には(効く?)。
小泉:納豆がいいんじゃないかって話になると、疫学的な調査をこれからしなくちゃいけないけれど、どっちにしても「日本人の食生活に発酵食品が多い」ということは一つの(コロナ対策の)研究のターゲットにした方がいいかもしれません。
また、「発酵王国」と呼ばれる日本で、世界と比べ特出するべき菌が一つあるという。
小泉:それは、麹菌。コウジカビとも言いますが、麹菌を使うことによって、味噌ができ醤油ができ、みりんができ、日本酒ができ、焼酎ができ、米酢ができる。これ、全部日本のもの。そして麹菌は不思議なことに日本にしかいない。
石橋:え、日本にしかいないんですか?
小泉:2種類いてね、黄色い胞子をつくる黄麹菌、それから黒麹菌。黒麹菌は、沖縄にいるんです。沖縄にしかいないんです。黒麹菌は、焼酎を作るわけ。沖縄の黒麹菌が鹿児島に来て、明治時代に。それで、今鹿児島と沖縄では黒麹菌。黄麹菌は、日本酒を作る、味噌を作る、醤油を作る、みりんを作る、甘酒を作る。
黒麹菌と黄麹菌は日本にしかいないから、国が「国菌」に指定しています。世界中には国花とか国鳥とかあるけども、菌を「国菌」として指定しているのは日本だけ。それが麹菌なんですよ。それくらい麹菌の恩恵を受けて、我々日本人の食生活があるってことですね。
干物の中でくさやは発酵食品。発酵と腐敗は全く違う世界
石橋:先生、干物は発酵になるんですか?
小泉:干物の中でもですね、「くさや」がそうです。くさやは発酵させます。だけども普通の干物は…。
石橋:日に当てているだけ?
小泉:そうです、水分を飛ばしてるだけ。
石橋:発酵にはならないんですか。
小泉:ならない。だいたい、発酵すると腐らないんです。
石橋:なんで…菌がコーティングするんですか?
小泉:例えば、煮た大豆と、煮た大豆に納豆菌を(加え)増殖させて糸引き納豆を作った場合、煮た大豆は置いといたらすぐに腐っちゃいます。納豆は腐らない。なぜかと言えば、納豆菌が腐敗菌を寄せ付けない物質を作ってしまっているから。
石橋:寄せ付けてないわけですね。よく「1回腐らせてるから、これ以上(腐らない)」みたいなこと…。
小泉:(笑)。発酵と腐敗は全く違う世界です。腐ったものを食べたら大変なことになります。
石橋:(納豆は)腐ってはいないんですね。
小泉:両方とも目に見えない微生物が起こす現象なんだけど、発酵の場合は、人間にとって有益な菌。例えば乳酸菌、ヨーグルトを作ったりね、チーズを作る乳酸菌。納豆を作る納豆菌、それから麹菌。
こういうものは善玉菌なんです。ところが悪玉菌のグループもいて。それを2つに分けると、食べ物を腐らせてしまう腐敗菌、もう一つは病気を引き起こす病原菌というもの。
発酵微生物として最強なのは納豆菌
小泉氏は、悪玉菌が善玉菌より強いと「(世界は)大変なことになる」が、実際はそうではなく、「例えば、(善玉菌である)納豆菌は沸騰したお湯の中に入れても、死にません」と、善玉菌の強さを強調。
石橋が「炊き立てのご飯に納豆かけちゃうと納豆菌がやられちゃうって聞いたことがある」と言うと、小泉氏は「とんでもない!」と全否定。
納豆菌は耐熱胞子を持っているので熱に強く、「食中毒菌と納豆菌を同じ量だけシャーレの中で入れて戦わせると、百戦百勝納豆が勝っちゃう。それぐらい納豆菌は強い」と語る。
石橋:発酵食品の中で最強なのは、納豆ですか?
小泉:納豆菌ですね。発酵微生物として最強なのは納豆菌です。
意外に乳酸菌は弱く、60度ほどで死んでしまうが、市販のヨーグルトなどは胃酸を通過しても耐えられる菌を選択して使っているので、きちんと腸まで届くと補足した。
造り酒屋の息子に生まれるも「発酵学」にハマり大学教授に
実は、小泉氏は江戸時代からの造り酒屋に生まれ、酒蔵を継がなくてはならない立場だったが、大学進学の際に「農業大学に発酵学がある」と父親から勧められて入学したのが発酵との出合い。
すっかりハマってしまった小泉氏は、4年間研究漬けの日々を送り、大学教授の道に。退職した現在も、客員教授として各地の大学で講義をしており「とてもいい人生」とうれしそう。ちなみに、実家は「姪が継いでいる」という。
研究での一番の発見は、中国の豚をカビで発酵させる「火腿(フォイテイ)」という食べ物を見に行った際に、常温では溶けないはずの豚の脂がしたたり落ちていることに気付き、それをきっかけに動物性の脂(飽和脂肪酸)を植物性の油(不飽和脂肪酸)に変える微生物を発見したことだと興奮気味に話し「非常に面白いんですよ、発酵というのは」と、石橋にその魅力を訴えた。
小泉先生の納豆料理3選
また、小泉氏は「私の納豆料理の中で有名なのが3つある」と、その作り方を紹介。
【ネバネバーダ】(3人分)
ボウルに納豆2パック、生卵2個、そこにとろろをすりおろし、混ぜる。
色付けにオクラを混ぜて、醤油を垂らす。
小泉:夏は冷ややっこに、冬はあっためた豆腐にかけて。スプーンで召し上がれ。
【焼き納豆どんぶり】
中火で熱したフライパンにパックの形のまま納豆を入れる。
納豆の中央にくぼみを作り、そこに卵を落とし、どんぶりをかぶせて蒸し焼き13分40秒(※火加減による)。
できあがった目玉焼き&焼き納豆を、どんぶりご飯に乗せて、鰹節と醤油を足す。
小泉:これ以外何もいらない!食べながらよだれが出るんだから!口の中が、よだれの洪水(笑)。
石橋:あはははは。おもしろい、先生(笑)。
【スタミナ味噌汁】
まず豆腐の味噌汁を作り、そこにひきわり納豆と千切りした油揚げを入れる。
あっという間に元気になり、スタミナも免疫力もつく。
小泉:味噌汁は、あっちもこっちもそっちもどっちも弱くなった人たちにオススメ。すごい、スタミナが出る。日本人は肉を食べてきた民族ではないので、大豆のたんぱく質が体に合う!
「最後の晩餐」にも食べたい
石橋:先生、大好きな発酵食品第1位は?
小泉:くさや。これが一番です。今くさやをもらったら、「枕にして寝たいな、いい夢が見られるだろうな」と思うくらい好きです。何とも言えない美味しさ!
石橋:ほぉ~。そろそろチャレンジしてみようかな、くさや。
小泉:やりましょうよ。おそらくですね、「なんでこの年齢までくさや食べなかったんだろう」と後悔しますよ。
番組最後に「最後の晩餐」に食べたいものを聞かれた時も、即答で「くさや」と答えた小泉だった。
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