芸能界でも「モ～1杯！」牛乳消費推奨プロジェクト “牛の姿”で呼びかける立役者に聞いた舞台裏

めざましmedia編集部

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「毎日牛乳をモ〜1杯！」と、農林水産省が牛乳消費協力を呼びかける「プラスワンプロジェクト」が盛り上がっているのをご存知だろうか。これは、新型コロナウイルス感染拡大防止のための休校措置による学校給食の休止、また多くの飲食店が休業中となっていることにより牛乳乳製品の消費が落ち込んでいることを受け、4月21日から農林水産省が始めたプロジェクトだ。

5月8日には、酪農乳業組織が医療現場や福祉施設などへ牛乳を無償提供する際、その購入代金を助成する消費拡大事業も始まった。

SNS上では牛乳を大量消費できる料理レシピなどを紹介する動きが活発化しており、その動きは芸能界にも広がりを見せている。

なにわ男子（関西ジャニーズJr.）の大西流星が、ジャニーズJr.公式エンタメサイト「ISLAND TV」において、“ダルゴナコーヒー”という流行のドリンク作りを通してプラスワンプロジェクトを応援するメッセージを発信し、ファンを中心に話題を呼んでいる。

動画はこちら！

そもそも、なぜ大々的な“プロジェクト”として、消費を促す運びとなったのか？そしてなぜここまで盛り上がることに成功したのか？そこには、乳業関係者の団結はもちろん、自ら牛の姿で呼びかけ、キャッチーにプロモーションを展開する立役者の存在があった。まずはこちらの動画をご覧頂きたい。

牛の姿で呼びかける！話題の動画に登場したのは…

下村さん自ら出演してプロジェクトをアピール

同省はプロジェクトを広める一環としてYouTube動画を作成し配信。プロモーションでYouTubeというのも、省庁の取り組みとしては斬新だろう。牛の着ぐるみを着て、大きなチーズと1杯の牛乳を前に「モ〜1杯！」と呼びかけるのは、牛乳乳製品課の下村さんだ。

「皆様に酪農乳業の現状をお伝えするにあたり、どのような媒体が最も伝わりやすいのか、関係者で考えた結果、動画でメッセージをお伝えするのが一番よいのではないかとの結論に至りました」とフジテレビュー!!に語ってくれた下村さん。

「動画で発信するなら、ご覧になった方にインパクトを残せるものがよいのではないか、ということで牛の着ぐるみを着て、『モ〜1杯！』のセリフを入れました。実際に牛乳を飲み干すことで、少しでも牛乳がおいしそうだな、さっそく飲んでみようかなと思ってもらえるといいなという狙いもあります」と、1分という短い動画の中でメッセージを伝えるための工夫をしたという。

元々、広報の一環として、職員自らが“官僚系YouTuber”となり、農林水産業を動画で発信する「BUZZ MAFF（ばずまふ）」という取り組みが行われているため、動画で発信することに抵抗はなかったという。

牛乳乳製品の消費推奨をするワケは「生産量をコントロールできない」から

牛乳乳製品の消費を特に強く呼びかけるのには、他の食料とは違う、“生乳独特”の生産背景があるからだという。

「牛乳乳製品は牛から搾られた生乳から作られるのですが、牛は毎日搾乳しなければいけないため、需要が減少したからといって、急に生産をやめることはできません。そのため、現在のように需要が減少した状況が続くと、生乳が行き場をなくしてしまう恐れがあります」（下村さん、以下同）

生乳生産量のピークとなるのはちょうど今の時期。行き場をなくした生乳を発生させないよう、関係者一体となって対応に取り組みながら、広く協力をあおぐことで、この時期を乗り切ろうという目的でプロジェクトを発足したそうだ。

牛乳消費で“おいしく支援”で牛乳売り上げも大幅増

実は、プロジェクトが発足される以前から、レシピ紹介や牛乳の購入を通して牛乳消費へ協力しようという積極的な動きはあった。

「本プロジェクトが始動する前から、乳和食（味噌や醤油などの伝統的調味料に牛乳を足した和食の調理法）など、多くの方が牛乳を利用したレシピをSNSなどに投稿いただいていることは存じておりました。当省にもたくさんのレシピ紹介やプラスワンプロジェクトへの協力のご連絡をいただいており、とてもありがたいなと感じています」

「一方、『協力したいけれど、牛乳をそのまま飲むとお腹が痛くなってしまう』と、体質によりご参加できないことを嘆かれる方からのご意見もいただいていました。そのような方々にとっても、牛乳を“料理で消費できる”レシピをご紹介いただけることは有意義でしょうし、このプロジェクトの裾野を広げていただくことにもなったのではないかと感じています」

牛乳消費に協力的な動きが相次いだことで、プロジェクトを公表した週の牛乳の売り上げは前年同期比125.8％まで増加したという。「ご協力いただいた皆様には大変感謝しております」と下村さんは声を弾ませた。

今回のプロジェクトの発足前に公開されたBUZZ MAFFの動画でも、下村さんと同じ牛乳乳製品課の山田さんが牛の着ぐるみを着て登場！

酪農や牛乳乳製品をもっと身近にさらなる訴求を目指す

さらに、BUZZ MAFFでは、酪農従事者からのメッセージ、料理研究家とコラボした牛乳大量消費レシピを紹介するものなど、さらなる訴求を目指した動画を複数本配信中だ。

「引き続き、情報発信を行い、酪農や牛乳乳製品が皆様にとってより身近なものとなり、日々の生活の中で親しんでいただけるよう取り組んでいきたいと考えております」

と、力強く話してくれた下村さんが、最後にこのように呼びかける。

「皆様にプラスワンプロジェクトにご協力いただいたおかげで、たくさんの牛乳乳製品をご家庭で消費いただき、行き場のない生乳が発生する事態を避けることができています。しかし、牛の生乳生産量は6月上旬までがピークであるため、この5、6月も引き続きご家庭で栄養豊富な牛乳乳製品をおいしく消費いただけると、とてもありがたいと考えています」

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