まちは新しい発見に満ちた、生きた教科書。一期一会の物語に出会い、知られざる歴史を訪ね歩く、なごやを学ぶ旅する学校。この夏、特別プログラム開講!
なごや文化の祭典「やっとかめ文化祭 DOORS」がお送りする、「旅するなごや学」。8月29日(金)・30日(土)、名古屋のまちを舞台に、2つのプログラムを開催します。
見て・聞いて・歩いて、なごやを学ぶ、「旅するなごや学」。8月29日(金)「浮世絵と名古屋 ~春画の美術的価値を考察する~」、30日(土)「探究のレンズを都市に向けてみると? ~「知のフィールド」としての名古屋とは~」、それぞれゲスト・講師を招き、名古屋を学び・考える企画を開催します。

<開催への思い>
好奇心を解き放ち、まちに深くアプローチする学びの場を
2013年に「やっとかめ文化祭」としてスタートし、今年で13年目を迎える「やっとかめ文化祭 DOORS」。まちを舞台に、名古屋の文化や物語と出合えるプログラムを、毎秋、約3週間にわたり実施しています。歴史学や芸術学、文学、理工学など、多種多様な学問領域から、時には異なる学問領域を組み合わせながら、名古屋にひもづくテーマを掘り下げ、関連する土地や空間で展開していく――そんな私たちの取り組みの源には常に、純粋な「もっと知りたい、より深く掘り下げたい=探究心」がありました。知的好奇心を湧き起こす「まち」について、他でもない私たち自身が理解したい。そうあらためて考え、名古屋での暮らし・営みがより面白く、味わい深くなるような特別プログラムを、今回企画しました。
秋に控えた「やっとかめ文化祭 DOORS」を、もっと楽しめるように。8月、夏の終わりに、最初の一歩を踏み出すための学びの場を始めます。
プログラム1.
浮世絵と名古屋 ~春画の美術的価値を考察する~

北斎による『北斎漫画』が名古屋の永楽屋から出版されたことはつとに有名で、『冨嶽三十六景』の『尾州不二見原』では、北斎は名古屋から見えた富士山を描いています。このように北斎と名古屋は深く関係した時代がありました。また風景画や美人画に加え、近年では春画が浮世絵として国際的に高い評価を得るようになってきました。北斎も美しく描いている春画は、浮世絵の重要な要素であり、今や浮世絵研究の最前線にあります。
浮世絵研究の第一人者による、浮世絵と名古屋に関する検証と、春画の美術的価値の考察について、講座を開催いたします。
<開催概要>
開催日:8月29日(金)
時間:19:00~20:30(受付開始 18:30)
講師:樋口一貴(十文字学園女子大学 教育人文学部 文芸文化学科 教授)
会場:名古屋能楽堂 会議室
住所:名古屋市中区三の丸1-1-1
アクセス:地下鉄鶴舞線「浅間町」駅1番出口から東へ徒歩10分、地下鉄名城線「名古屋城」駅7番出口から西へ徒歩12分、市バス「名古屋城正門前」下車すぐ(栄13系統、栄27系統、西巡回系統)、なごや観光ルートバスメーグル「名古屋城」下車すぐ
料金:2,000円
定員:60名
注意事項:※18歳未満の入場は不可といたします。
※入場の際に、年齢確認をさせていただく場合がございます。
※当日はプロジェクターで浮世絵の画像投影がありますが、一部、性愛を扱う内容を含みます。
■講師プロフィール

樋口一貴(十文字学園女子大学 教育人文学部 文芸文化学科 教授)財団法人三井文庫学芸員を経て、十文字学園女子大学へ。美術史・浮世絵研究を専門分野とする。2024年には国際浮世絵学会 第18回浮世絵学会賞受賞。論文、著書、学会発表など多数。浮世絵展覧会の解説、図録執筆、講演などの実績多数。

企画担当 近藤マリコ
<企画担当者の思い>
浮世絵としての春画がやっと日の目をみるようになった昨今。各展覧会の大盛況ぶりからも、“知られざる美術品としての魅力”を知りたい、見たいと願う人々が数多くいることが伺えます。
これまで“知られざるまちの宝”を掘り下げ、紹介してきた「やっとかめ文化祭 DOORS」だからこそ、浮世絵としての春画の魅力にもいち早く理解を示し、美術品としての価値を学ぶ講座を開催したいと考えました。ただし、すべての春画の美術的価値が高いわけでも、美しいとされるわけでもありません。本企画では、あくまでも“浮世絵として優れた春画”を取り扱います。
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プログラム2.
探究のレンズを都市に向けてみると? ~「知のフィールド」としての名古屋とは~

文化人類学・言語学・植物生態学といった異なる学問領域の専門家・愛好家の方々が登壇。名古屋のまちを見つめてきたモデレーターとともに、トークセッションを開催します。
個性豊かな「探求のレンズ」をもったゲストの3人。それぞれ、探究心が芽生えたきっかけは何だったのか。どうやって育んできたのか。探究心を向ける「知のフィールド」として、都市・名古屋とはどのように捉えることができるのか。住民、学生、ビジネスパーソンなど名古屋と関わりのある人が、名古屋について学ぶ先に何があるのか。都市に還元されるものはあるのか、ないのか。あるいは、なくてもいいのか。それぞれの学問領域の視点から問いに向き合い、意見を交わすことで、名古屋という都市で学ぶ、都市を学ぶことの意義について考えます。
<開催概要>
開催日:8月30日(土)
時間:16:00~18:00(受付開始 15:30)
ゲスト:中村寛(文化人類学者/デザイン人類学者)、村田あやこ(路上園芸鑑賞家/ライター)、水野太貴(「ゆる言語学ラジオ」パーソナリティー)
モデレーター:古橋敬一(愛知学泉短期大学専任講師/クリエイティブ・リンク・ナゴヤ理事)
会場:Common Nexus LOAM HALL
住所:名古屋市千種区不老町(名古屋大学内)
アクセス:地下鉄名城線「名古屋大学」駅 1番出口直通
料金:2,000円
定員:50名
■ゲストプロフィール

中村寛(文化人類学者/デザイン人類学者)暴力、社会的痛苦、反暴力の文化表現、脱暴力のソーシャル・デザイン等の研究テーマに取り組む一方、人類学に基づくデザインファームを立ちあげ、様々な企業やデザイナー、経営者と社会実装を行う。2020年からグッドデザイン賞外部クリティーク、2023年からグッドデザイン賞フォーカスイシュー・リサーチャー、多摩美術大学サーキュラー・オフィスのプロジェクト・リーダーを務める。著書に『アメリカの〈周縁〉をあるく』平凡社、2021、『残響のハーレム』共和国、2015など。多摩美術大学リベラルアーツセンター・大学院教授/アトリエ・アンソロポロジー合同会社代表/KESIKI Inc. Insight Design。

村田あやこ(路上園芸鑑賞家/ライター)街歩きをテーマにしたコラムやインタビュー記事などを執筆。デザイナーの藤田泰実とともにお散歩ユニット「SABOTENS」としても活動し、組み合わせると路上園芸の風景が作れる「家ンゲイはんこ」を制作。著書に『たのしい路上園芸観察』(グラフィック社)、『はみだす緑 黄昏の路上園芸』(雷鳥社)。「散歩の達人」などで連載中。「ボタニカルを愛でたい」(フジテレビ)に出演中。2025年4月より、横浜国立大学大学院環境情報学府博士課程後期に在籍。社会人学生として植物生態学を研究。

水野太貴(「ゆる言語学ラジオ」パーソナリティー)1995年生まれ。愛知県出身。名古屋大学文学部卒。専攻は言語学。出版社で編集者として勤務するかたわら、YouTube、Podcastチャンネル「ゆる言語学ラジオ」で話し手を務める。著書に『会話の0.2秒を言語学する』(新潮社)、『言語オタクが友だちに700日間語り続けて引きずり込んだ言語沼』(バリューブックス・パブリッシング)、『きょう、ゴリラをうえたよ 愉快で深いこどものいいまちがい集』(KADOKAWA)がある。
■モデレータープロフィール

古橋敬一(愛知学泉短期大学専任講師/クリエイティブ・リンク・ナゴヤ理事)1976年、愛知県生まれ。学部時代にアラスカへ留学し、アラスカ先住民族の文化再生運動に触れ大きな影響を受ける。帰国後は大学院に進学。学業と並行し、商店街の活性化まちづくり、愛知万博NGO/NPO出展プロジェクト、国内および東南アジアをフィールドにするワークキャンプ等の活動に携わる。2008年より港まちづくり協議会事務局次長として、名古屋市港区西築地エリアのまちづくりに従事。2022年に大学教員に転向し、名古屋市・春日井市・岡崎市等の公共事業のサポートに研究者として関わる。

企画担当 大野嵩明
<企画担当者の思い>
名古屋という都市を舞台に、純粋な探究心をもって数百ものプログラムを実施してきた私たちの活動は、人文科学的あるいはリベラルアーツ的な営みともいえるでしょう。
心を向けるほどに、対象への興味は一層深まっていくもの。でも、そもそも探究心とはどのように得られ、育まれるのか?手にした探究心を伸ばし、生かす場として、都市・名古屋はどうあったら良いのか?これらの問いに向き合う場として、トークセッションを企画しました。今ここにいるまちに一歩踏み込み、より楽しむヒントが得られる、大きな学びの機会となると考えています。

企画担当 伊藤成美
プログラム詳細・チケットお申し込み
やっとかめ文化祭 DOORSとは
東西のはざまで、あらゆるものを受け止め、吸収し、融合させながら、独自の伝統へと昇華させてきた名古屋。「やっとかめ文化祭 DOORS」は、そんな名古屋を見て、聞いて、触れて、歩いて体感する、まちじゅうが舞台の「芸どころ・旅どころ・なごや」の祭典です。名古屋の文化と出合う、さまざまな「扉」をまちじゅうに用意し、地域の魅力を再発見し、新しい文化体験を提供します。プログラムなどの詳細は、8月下旬に公開予定。楽しみにお待ちください。
<「やっとかめ文化祭 DOORS」開催概要>
開催期間|10月25日(土)~11月16日(日)
主 催|やっとかめ文化祭実行委員会
[構成団体]名古屋市(文化芸術推進課、観光推進課、歴史まちづくり推進課)、名古屋市教育委員会(文化財保護課)、(公財)名古屋市文化振興事業団、(公財)名古屋観光コンベンションビューロー、(公財)名古屋まちづくり公社、中日新聞社、名古屋観光ブランド協会、特定非営利活動法人大ナゴヤ・ユニバーシティー・ネットワーク [特別協力]クリエイティブ・リンク・ナゴヤ
助 成|文化庁、一般財団法人地域創造
<公式ホームページ>
https://yattokame.jp
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