村瀬Pが惚れ込んだ生方さんの「セリフ力と構成力」
2021年に「フジテレビヤングシナリオ大賞」を受賞して脚本家デビューした生方さん。村瀬Pは、審査員の一人でした。
村瀬:読んだときに、もう、最初の1ページというか、何ならあらすじ書くじゃない。実は、そのあらすじを見たときに、文章がもう「いいな」って思ったの。で、そのあと頭から読みだしていって、すぐに引き込まれて。読み終わって、何かもう、ちょっと泣いてたし。
風間:へぇー。
村瀬:家で読んでたから、妻が「どうしたの?」って。「めっちゃいいの読んじゃって」って。そうしたら、「あなたが『ヤンシナ』読んで、そんなふうになるなんて珍しいね」って言われたくらい。
村瀬Pは「読んだときにジーンときた」とその出合いを振り返りました。
村瀬:読んだ瞬間に、ほかとの違いが俺には明確にあったの。それが具体的に何かっていうと、一つはセリフ。生方美久という、この人にしか書けないセリフだなって感じたんだよね、まず。もう一つはやっぱり構成力。1時間の中で起承転結と、それこそ今話題の伏線。
風間:はい。
生方:(笑)。あったかなぁ?伏線。
村瀬:(笑)。そのつもりないんだろ?本人そのつもりないのに、結果、伏線になるって『silent』もそうじゃん?
風間:うん。
村瀬:それがもうあったの、その中に。
「このセリフ力とこの構成力なら、絶対に面白い連ドラができる」と確信した村瀬Pは「何も決まってなかったけど、とりあえず何か企画を」と、生方さんにすぐに連絡をとったといいます。
村瀬:(風間監督に、生方さんの脚本を)どう思った?最初に。
風間:もちろんセリフの良さもあると思うんだけれども、映像的な表現が浮かびながら(脚本を)書かれている人なんだろうなと。そういう意味では、(映像として)どう表現するかみたいなことって、あまり無理なく自分の中で考えが尽くせたというか。
オファーをいただいて、やる決断をした大きな決め手は、村瀬さんからの誘いというのももちろんあるんだけど、シナリオが好きになって、生方さんの本が好きになってお受けしたというのが、一番大きいですね。
風間監督は、「まずはこの本の良さを活かしたいと思ったところから始まってますね。冬のちょっとしっとりした空気感。彼らが暮らしている街の雰囲気だったり、そういったものができるだけ視聴者の方にも近く感じてもらえるような」と、『silent』で目指した演出を語りました。
生方さんは、脚本の書き方や『silent』のこだわりを語りました。
生方:(風間監督に)おっしゃっていただいた通り、映像をイメージして書くタイプなので、全部のシーンやセリフを決めているわけじゃなくて。自分の中のカット割りとかがあるんですよ。書いている段階で。
村瀬:へぇー。
生方:だから、もちろん自分の頭の中にあるものと(映像が)同じなわけがないし。その違いを私は楽しめていて。「なるほど、ここから撮るんだ」とか「ここ引き(の画)なんだ」みたいな。何か、私は楽しかった(笑)。
村瀬:どうやって(考えている)?今回に限らずだけど。
生方:『silent』のこだわりでいえば、そんなに「恋愛だけ」を描かないというとこですかね。ラブストーリー自体に、そんなに…ぶっちゃけ興味がなかったんですね。
風間:ふーん。
生方:「ラブストーリーを書きたい」と思うことはなくて。11話かけて描くなら、そのメイン2人の恋愛だけって、もったいないというのが一つと。自分がラブストーリーというものを見ていて一番不快というか、嫌だなと思うのが、当て馬というポジションの扱い。恋が実らない子を当て馬だとか、かわいそうな子みたいな。あと、ありがちなキャラクター。反発して、結果、身を引くっていうだけの子にしないっていうのは、一番こだわりました。
村瀬さんは「創作の源というか、実体験から書いてるのか、そうじゃないのか?」と尋ねました。
生方:恋愛に関する部分は、実体験はまったくなくて。キャラクターの中のパーソナリティみたいなところは、「全部自分」というわけではなくて、ちょっとずつ自分の要素は入れていて。第3話の頭の、紬(川口春奈)の回想のパワハラ・セクハラの、ああいう感じとか。
村瀬:ああ。
生方:想(目黒蓮)の「すいません」「すいません」って謝っちゃって、自分が悪くないけど謝っちゃうのとかも。自分が違う仕事していたときに「すいません」が口グセになってしまっていて。先輩に「『すいません』って言い続けていると、本当に自分が悪いって思うようになっちゃうから、やめな」って言われて、結構ハッとしたんですよね。そういうのは、入れてます。
村瀬:逆に風間は、監督じゃない?自分の恋愛といったら変だけど、自分を投影したりとかしているの?
風間:「投影」はしてないですね。たぶん、誰一人、投影はしていない。生まれる葛藤に対しての自分自身の考えというか、自分の持っている思想みたいなところは、演出するうえでは分けていかないと演出できないから。一人ひとりに、「この紬はわかるし、この想はわかるし」っていうところ、僕も差し出すし、俳優も差し出してっていうことを含めて、演出、ディスカッションしているっていうことですかね。
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